「総額表示」の期日が迫る

 4月1日から総額表示が義務化される。これは消費者へ販売やサービス提供をおこなう場合に、税込み表示を明記しておくというもので(税抜き表示が一緒にあってもかまわないが税込み価格表示をすることが義務となる)、人手が足らずに普段からぎりぎりでがんばっている小規模な店舗などでは、現在おおあわてで対応されていることと思う。

 これは以前から通販サイトなどで価格を比較する際に混乱のきっかけになっていたので、個人的には、よい流れかと考えている。たとえば運営企業や店舗が違えば、税込み表示か税抜きかで印象ががらっと変わる。安いぞと思って確認すると税抜きだったという具合だ。おもに、一般消費者も買うことができるものの卸を念頭においているサイトでは、税抜きが多かったように記憶している。

 わたしも何度か経験したが、最近の事例では——
 同じ商品で少しでも安いものがないかと検索していた際、A社が楽天では税込み表示、自社サイトでは税抜き表示にしていたことがあった。たまたま輸入食品だったために「価格が違うのは賞味期限か、外箱破損か、なぜ違う」とじっくり読んで気づいたが、そうでなければ安く見えるほうをクリックしてしまった可能性もある。

 さて、小売りの書店や出版業界では、これまで外税表示にしてきた書籍の値段を総額表示にすることで、膨大な手間がかかっていると聞く。税率が変わるたびに同じ手間になるのならばと、今後を案じて、品切れ時に増刷せず絶版扱いにする出版社もあるのではと、危惧する声もある。

 総額表示でたすかる消費者がいることは事実だが、こうした話を聞けば、ただでさえ厳しい出版業界事情を思い、歓迎ばかりもしていられない。

 なにかよい策はないものかと、案じている。