「いかめしい」を漢字で書くと

 厳めしい顔、厳めしさなど「いかめしい」を漢字にした歳には「め」がはいると考えているが、最近は「め」を省いた「厳しい顔」などの表記があり、けっこう考えてしまう。

 これは普通に読むと「きびしい顔」ではないかと思うが、きびしい制度、きびしいしつけ、などの「きびしさ」とか異なり「きびしい顔」とはなんなのか、考えてしまう。やはり「いかめしい顔」と書きたくて「め」を抜いてしまったのではないか、あるいは最近では「きびしい顔」というのは「きびしい表情」という意味で使われている言葉なのか、さらには別のニュアンスがあるのかと迷ったりするが…

 いつもならば「め、を入れ忘れたのだろうな」と思うのだが、有名な人の著書で、出版社も編集さんも優秀そうな場合は「め、を抜いたのだから、きびしいと読ませるのか、そうなのか」と、しばらく考えてしまった。

 まあ、素人が書いた文章でも高名な人のものでも、だからといって書き間違い云々を考慮に入れるのはよくないのだが…これは、読み上げソフトを使わせたら、ほぼ間違いなく「きびしい」にされて、それを聞いた人は「きびしい」で認識するのだろうなと、推測する。

 きびしい表情ではなくて、きびしい顔。ありといえばあり、なのか。ずっと考えていると、自信がなくなってくる。