白猫について

 数十年前、田舎の家の近所で飼われていた(もしくは野良の)猫らは、三毛か、トラのような縞ブチか、あるいは乳牛のように白と黒のまだらが半々くらいのものなどが多めで、現在あちこちで見る「ほぼ真っ白」の猫はいなかったように思う。
 白い猫で有名な種類は何なのかと先ほど検索したところ、やはり白猫には洋風の名前がついた種類が多いようだった。

 だが彦根で有名な「ひこにゃん」は白猫だし、雑種のように見える白猫もけっこういるので、もしや日本にも以前から白猫は存在して、数としては存在するのかもしれない。
 妙な話だが、白い猫と柄のはっきりした猫のあいだに子猫ができた場合、白っぽい子が生まれる確率はどれくらいなのだろうと考えることがある。半々くらいならば、白い子はゆくゆくは希少になっていくように想像してしまっていたのだが、仮にそうだとしても、三毛猫ほど危機感のある話ではないはずだ。

 なぜ白猫の話を書いているかというと——血統のはっきりしているもの以外で、雑種であると聞いていた白い猫たちの写真を、これまで知人経由でネットで楽しませてもらったことや、近所に真っ白でオッドアイ(左右の目の色が違う)の猫がいたりして、しみじみ白猫が好きになってきたからである。
 しかも今日に至っては、夢で「置き配が来たらしいから玄関を開けよう」と、ドアを開けたところに白猫がいた。白猫が荷物を配達に来たのではなく、誰かが白猫をわたしにペットとして送ってくれて、本人(本猫)がそこで待っていたということらしかった。

 いつか猫を飼いたいという気持ちが、そんな夢を見させたのだろうか。