偶然にHuluで見つけたので、昨日見てみた。この手の作品は冒頭から予定調和の香りがぷんぷん漂っているので、難しいことを考えたくないときは安心して見られる。
アメリカの女性ソフィアが婚約者とともにイタリアを訪れる。婚約者はイタリア料理の店をオープンさせる予定があるため、休暇どころか、彼女そっちのけで仕入れ手配や厨房の見学をしてしまう。彼女は別行動をとることになる。
翌日、ひとり立ち寄った観光名所で、ジュリエット(ロミオとジュリエットの登場人物であるあの女性)宛てに恋の手紙を書いた女性たちに、ひとつずつ返事を書くボランティアたちと知り合いになる。見学ついでに手伝っていたところ、偶然にも50年前から回収されずにいた手紙を見つけ、内容に感動した彼女は、自分が担当したいと告げ、心をこめて返事を書いた。
…そしてなんと数日後、ソフィアが書いた手紙を受け取ったその女性が、はるかイギリスから、運転手役を兼ねた孫をともない、イタリアにやってきた。
まず孫(若い男性で名前はチャーリー)がソフィアにちくちくと嫌味を言いにやってくる。祖母が若いころ恋していた男性が死んでいたらどうする、余計苦しめるだけだ、と。ところがソフィアは「まぁ、ほんとに来たなんて、すっごーい(^o^)♪」というノリで、イギリス人があまり使わない awesome という言葉を使う。あほなアメリカ人め、なにが awesome だと言わんばかりにチャーリーは去る。祖母になんかぜったい紹介しないぞ、と。
ところがソフィアは手紙の相手クレアに自分から近づき、すっかり意気投合。50年前のクレアの思い人を、チャーリーと3人で探しにいくことになる。
数日にわたるドライブの旅が、そうしてはじまった。
老齢のイギリス女性クレアをヴァネッサ・レッドグレイヴ。お年を召してもチャーミングである。残念だがこれまでこの人が演じた役を好きになったことがなかったが、この映画を見て考え直した。生き生きとしている。それもそのはず、終盤でようやく巡り会う思い人は、実生活でも数十年つれそった末に近年になって正式結婚した相手、フランコ・ネロ。このおっさんもまた、いい感じに年をとって、見ていてうれしくなった。
主演のソフィア役はアマンダ・サイフリッド。近年では「TIME/タイム」という映画や、レ・ミゼラブルのコゼット役などが有名。これがまた、似合った役。
チャーリーとソフィアは数日のうちに惹かれ合うが、ソフィアは婚約者のいる身。はたして、どうなるのか…?
ロミオとジュリエットにちなんで、バルコニーのシーンも何回か登場し、ロマンチックな仕上がりになっている。