けっこうネット上ではよく使われるようになった「情弱」だが、これを目にした瞬間、1秒間くらい必ず頭に浮かんでしまう別の言葉がある。それは「情けに弱い」…。使われている漢字の順番は同じなのだから、それが略されて「情弱」だと、つい思ってしまうのだろう。
これはネット上ではたいてい悪い意味合いで使われる「情報弱者(情報を自分から得て活用することができない人)」の略であり、本来の意味は「情報を得たくても都会ほどスムーズに得られない、たとえば地方や僻地に住む人」のはずである。もっとも、後者を略して会話に使うものなのかどうかは、わからないが。
素人向けショップで割高な商品をありがたがって買うのは「情弱」と書いている人を、今日見かけた。わたしも大昔は「金額」のことだけを考えて、割高なショップで買うのはおかしいと思っていた時期もあるが、最近はそうでもない。物事に疎い人から本気でぼったくるだけの店で買うならば話は違うだろうが、だいたい、理由があってそこで買う。いろいろな店で1円単位で価格を比較するよりは、いつも間違いのない店で買って、長く迷っていたはずの時間を別のことに費やすほうに、価値を感じる人もいるだろう。
あまり気持ちのよい言葉ではないので、自分からはできるだけ使わないようにしようと思うが、それにしても日本語は略すスタイルが多いと、しみじみ思う。