かつて、高円寺の駅前に大きな時計屋があった

 高円寺のオリンピックで、時計を買った。腕時計ではない。ストラップをつけて首からさげたり、キーホルダーのように何かにつけて使えるシンプルなものだ。表示もアナログ。1600円弱だった。

 商品を固定する厚紙を兼ねた説明書に、電池交換は時計店などでおこなうようにと書かれていた。そのせいで、ふいに20年以上も前の高円寺駅前が頭に浮かんだ。時計屋があったな、と。

 参考までに、Googleの画像を貼り付けておく。

 ここでおそらく松屋がある建物だと思うのだが(もし違っていても両隣のいずれか)、吉甚さんという何十年もつづいていた時計屋さんがあった。1階と2階の両方が店舗だったように思う。腕時計を買ってその数日後に金属が緩くなって相談したら、無料で調整してもらえた。たしか家にあってまだ動いているシンプルな目覚まし時計も、そこで買った。
 さらに隣の「かつや」と書かれた建物だと思うが、レコード屋の新星堂だった。当時はまだレコードとカセットテープが主流で、CDはあまりなかった。さらに「中華」と書かれた建物だったと思うが、おもちゃ屋があった。20年くらい前に二度目の「たまごっち」流行のころ、まだあった。次は何日ころ入荷予定と、貼り紙がしてあったと思う。

 時計屋は、写真右側の純情商店街をはいって少し進んだところに現在「サンクス」があるあたりが、現在は規模を小さくして近所に転居した岡本時計店さんだった。移転前は広い時計店だった。サンクスの近くにあるパチンコ屋と、その隣接する交換所のあたりは、少し記憶が曖昧だが女性向けの肌着を売るSTOCKが数店舗点在していたほか、店舗が細長くて奥行きがある靴屋があり、さらには信用金庫があった。そういえば金融機関も商店街から減ってATMだけになったり、あるいはコンビニなどのATMと提携することで店舗を実質的に減らしている。純情商店街にはATMだけの「みずほ」もあったが、それもなくなってひさしい。
 南口のパル商店街にはいってすぐにあった大きな文房具の「不二屋」さんも、そこをカフェのプロントに貸して自分たちは裏手の小さな店舗に引っ越してしまい、もう10年以上になると思う。

 食い物屋が増えたなぁ…しみじみ、そう思う。食べ物屋、携帯屋、ドラッグストアが増えた。どこの駅前も、けっこう似てきた。

投稿者: mikimaru

2021年現在「バウムの書」、「お菓子屋さん応援サイトmikimarche」などのサイト運営に、力を入れています。 かつててのひら怪談というシリーズに参加していたアマチュア物書き、いちおう製菓衛生師の資格を持っています。 バウムクーヘン関連や、昔からの知人には、「ちぇり」もしくは 「ちぇり/mikimaru」を名乗っています。