最近、中野のマルイが元気がよい。マルイといえば「服」という印象が強いが、中野店に関しては2011年に帰ってきて(*1)以降は、少しずつ1階で飲食に力を入れるようになり、入り口付近の週替わり特設会場も含めると、かなり印象が明るく、とっつきやすくなった。
2階にコメダがやってきてからも、1階に豆売りと簡易テーブルを設置した「やなか珈琲」が入店して、珈琲好きにはたまらない。1階には数ヶ月前にサーティワンアイスクリームもはいったし、パン屋のボンジュールボンは人気で、わたしもよく買っている。さらに、2階には11月にカルディコーヒーファームもやってくるという。
中野駅界隈は、区が北口に複数の大学を誘致し、周辺一帯を「四季の森公園」として整備したことで、昼間の人口が増えただけではなく見た目の印象も都会的になったが(中野が「都会」的になってきたという事実にはちょっと感慨深いものがある)、マルイはその時代の流れに遅れることなくうまく人の心を読み、それをつかめているのかもしれない。
中野はマルイの創業の地であり、現在も本社機能は中野北口にある。若い世代にのみ媚びるわけでなく、ファミリー層に訴えるでもなく、よくいえば「誰にでも適度に」といった印象だが、それが中野らしさでありマルイらしさかな、という気もする。今後とも適当に、自由にやってもらえたらおもしろい。
(*1) マルイの中野店は、2007年の夏に閉店して取り壊したあと、予定を変更し「建物の横幅を狭くした程度で」そっくりの店舗に建てなおし、帰ってきた。地下の食品売り場はピーコックとパン屋のリトルマーメイドといった、目立つ店舗のラインナップすら同じで、地元民としては、けっこう笑ったのを覚えている。
なくなったのは最上階のボウリング場だけだと言われたとしても、かなり納得できる。ほんとうにそっくりだった。
聞くところによると、どうもマルイの気持ちとしては、「まじめに閉じたつもりだった」らしい。跡地をどうしようかあれこれ考えていたら、地元で「南口にマルイがない、南口と言えばマルイだったのに、あーマルイがない」と言われつづけて、けっきょく建てなおしたのだとか。
かくいうわたしも、マルイがいったん壊されたあとでも、人に路地を説明するとき「マルイの裏です」と平気で言っていた。それでも中野界隈の人間になら「そうですかー」と通じたのだが、中野に引っ越してきたばかりという人にもそれを言ってしまい、相手は「マルイって北口の本社のこと?」とでも思ったのか、かなり怪訝な顔をしていた。