キャリー・フィッシャーの突然の訃報から1年。おととい新宿で見てきたスターウォーズ「最後のジェダイ」は出来も素晴らしく、もしレイア姫(オーガナ将軍)役の彼女がお亡くなりになっていなければ、次作は若手のレイを実質的な主役に据えつつも、レイアを中心とした最高の作品になっていたことと思う。
ハン・ソロが去り、ルークが去った。このシリーズの3番目であり全体の9話目となる次作は、レイアの物語になるはずだった。
女優を替えて、ストーリーを当初の構想通りにするのか。
あるいはキャリー・フィッシャー以外の人間にレイアを演じさせることを避けるため、レイア登場場面を減らす脚本にするのか。
わたしとしては、ぜひ、どなたかすばらしい役者を立てて、レイア姫を中心とした物語を作ってもらいたい。
40年前の最初のシリーズ3話で、キャリー・フィッシャー演じるレイア姫は、当時の少女らに夢を与えたという。待っているだけではない、行動する女性の姿にはげまされた子供たちがいた。その後に制作された前日譚3話では、悪に落ちていくアナキンを止められず苦悩をしたアミダラ姫。そして今シリーズで、天涯孤独と信じてきた身でありながらフォースに目覚め、自分について知りたいと願うな少女レイ。また映画制作順では初回にあたる4話目の直前を描いた関連作「ローグワン」での若き女性ジン——ああなるほど、このシリーズは女性を描いてきたのだなと、いまさらにして思う。
キャリー・フィッシャーには、生きていてもらいたかった。次の作品を演じきってもらいたかった。
誰がレイアを演じることになるにせよ、スターウォーズの最終話を、首を長くして待つことにしよう。