太陽光パネルは、個人の家の屋根やビルの屋上にでも設置するのであれば、設置場所と安定度において、さほどの問題はないかと思うのがわたしの考えだ。実際のところ、これまで何十年も民家の屋根に太陽風呂はあったし(注: 太陽光で水を温めて湯船に落とすソーラーシステムの通称…少なくともわたしの地元ではそういう言葉で呼んでいた)、美観や安全性などの意味で周囲の家屋にそれが影響を及ぼすことはほぼなかったはずだ。同様に、今後も一般民家やビルなどが独自に屋根や屋上に小規模の太陽光発電パネルを設置しても、とくに問題はないかと考える。
だが問題は、もともと山野や丘陵であった場所に、自然の木々や植物を取り払って「地面にパネルを直置きするために基礎工事をおこなう」ことではないかと思う。急激に大規模なスペースでこれをおこなえば地面が保水力や強度を失って土砂災害にもつながりやすくなるかもしれないし、何より美観を損ねる。また、建築関係のウェブサイトで事例を見たところ、太陽光パネルは地面にただ置けばよいというものではなく、かなりしっかりと、家屋の土台ほどもコンクリートを流して固定させるようだ。大規模な場所でこの調子で工事をおこなえば、仮に将来の電気が助かるにしても、あまり「自然にやさしい」気がしないのが人の心というものだろう。
山陽新聞にも、こんな記事があった。2018.02.13 → 豊島のソーラー建設に島民強行阻止 住民運動大きな広がりに
記事によれば、地域の条例が変わって、2月9日以降に着工する工事に関しては新条例が適用されるというが、現在すすめられている国立公園内の豊島の工事は、どちら側になるか不透明なところがあった。早くすすめるつもりでいた会社側と、経過を慎重に見守る住民たちのあいだで予定は遅れ、どちら側(旧条例なのか新条例なのか)になるのか問題だったが、日付を意識してか9日以前に着工しようとした会社側に、住民が強く反対する行動に出たという。
いまさら妙な話だが、地面に直置きするしかないのだろうか、ソーラーパネルは。地面は確実に弱るだろうし、仮にいつか撤去されても、保水力や地面としての力はあまり期待できそうにない。ならば、何かもっと画期的な解決策(置くのではなく立てるとか垂らすとか浮かせるとか…)があったら、それに越したことはない。
また、風力発電も、一時期ほどは大きな設備を必要としないことがわかってきたと聞いたことがある。小規模設計が可能であれば、こちらもまた、新たな方針を打ち出していただけたらと、一般市民としては強く願っている。