東京新聞によると、羽田の旅客数が2017年度に世界4位になったそうである。ロサンゼルスを抜いたらしい。
2018.04.09 東京新聞 羽田旅客数、世界4位浮上 8541万人、LA抜く
カナダ・モントリオールに本部を置く国際空港評議会(ACI)は9日、世界の空港の2017年乗降客数ランキングを発表した。羽田空港は約8541万人で、米ロサンゼルスの約8456万人を抜き4位に浮上した。
成田空港は現在の正式名を成田国際空港というが、できて間もない80年代からしばらくのあいだ「新東京国際空港」と名乗っていた。その名の示す通り、わたしはてっきり「国際便は成田、羽田は国内便のみ」になっていくのだろうと思っていたのだが、21世紀になってからは少しずつ羽田が国際便を増やし、最近では世界のかなりの地域と羽田が空路で結ばれている。
成田に人気が出ないのは、到着後にすぐ東京に出たいと考える人々や、住んでいる都民でさえも困ってしまう「東京との距離」に一因がある。また、羽田と成田のあいだで迅速かつ便利な交通手段も提供されていないため、どちらかの空港に着いてから乗り換えのように使うことは最初から想定外。そして現在、東京五輪のこともあり、都内の一部上空を羽田の離発着便ルートにあてる検討が進んでいるのだ。その案が進めば、わが家の界隈も上空を飛行機が通ることになるが、いったいどうしてこうなったと嘆きたくなるような対応策の遅れが目立つ。
成田も羽田も滑走路をすぐには増やせない。何より用地の確保、整備、騒音問題には時間も金もかかる。だから少しでも回転をよくしようと、住宅街の上空を旅客機に飛んでもらうという発想のようだが、70年代に羽田の限界を考えて成田の開港を進めたのだろうに、なぜこうなる。役割を羽田にもどすならもどすで、対応が後手後手。けっきょくは経済の話だ。観光客や滞在者に、金をスムーズに落としてもらいたいが滑走路を増やすのはすぐには無理。あとは例によって「オリンピックに間に合わない、オリンピック、オリンピック…」である。
都民として利用上の正直なところを言わせてもらえれば、成田は遠い。羽田が便利である。だが羽田は限界であったから成田を進めたという経緯を考えれば、現状をとても疑問に思う。千葉県の方々や関係者に申し訳ない気持ちになる人は、国交省にはいないのだろうか。大きな騒ぎがあった。暴力事件、テロ事件があり、その他の感情的なしこりやしがらみもまた、数え切れないほど残っているはずだ。誰も反省しないのだろうか。
成田と都心とのアクセスを便利にできなかった段階で、誰かが反省して謝るべきだったはずと、わたしは思う。
=== 翌日夕刻、追記 ===
Facebookで知人からいただいた情報によると、東京から飛行機を使う、外国からやってきて東京都心に用があるという人は羽田が便利であるかもしれないが、日本国内の空港経由で乗り換えて外国に出かけることを考えると、成田が便利とのこと。つまり、外国から訪れる人の目線で考えれば、最短距離で東京都内で用事を済ませすぐ帰る人には羽田が便利に感じられても、ほかの空港に降りたい場合などは、やはり成田経由が便利ということになる。
教えていただくまで、こうした目線に気づかなかった。コメントをいただけてとてもありがたい。