本来ならば写真の編集が終わってから紹介すればよいのだろうが、100枚くらい撮影したものの、建物の内部で断片的なもの(部屋の一部や窓)が多く、わかりやすく説明するのも工夫が必要な気がするので、文章による説明のみ。
小金井公園の西口近くにある、歴史的な建物を復元して展示している一画が「江戸東京たてもの園」である。入場料400円という破格なのに見るところが多く、1時間半くらいいても全体の半分くらいにあたる西ゾーンしか見ることができなかった。ほかにセンターゾーンと東ゾーンがあるが、東ゾーンの多くは公開停止中らしいので、おそらく半分くらいを見たことになるかと思う。
西ゾーンは古き日本の民家(囲炉裏や土間)のみならず、越後の三井家(三越)など大店の蔵といった江戸の趣から、時代を下り明治大正以降の西洋風までさまざまな建築がある一帯。どの家もほとんどの場合は靴を脱ぐように言われるので、最初の住宅でもらった靴用のポリ袋(厚さはスーパーのレジ袋の高級版)を捨てずに何回も使い回した。人によっては1軒ごとにもらい直しをしている人もいる気がしたが、もったいないのでここはぜひ使い回しをしてもらいたい。
さまざまな家があったが、わたしがもっとも気に入ったのは、前川國男邸。スマホに対応しているかどうかは不明だが、パソコンからならメニューの下にあるカーソルを伝うことで、内部まで360度の画像を見ることができる → 復元建物の紹介 | 江戸東京たてもの園 (メニューから前川邸を選択)
まるで現代のしゃれたヨーロッパ風家屋である。南向きのガラスは上から下まで日光を採り入れることができ、内部は洋間で、隅の階段からロフト風になった上階へ上がることができる(そのロフトは上れないようになっていたので下から見たのみ)。
ただ、残念なことに古い家屋なのでガラスが薄くてペナペナ、これではさぞかし「夜は寒かっただろうね」と連れに言った途端、説明要員として室内にいた男性が近づいてきて「そうなんです、熱効率は悪かったはずです。ただ、同じデザインで現代風のガラスを入れたら、かなりよいお部屋になるはずです」とコメントをくださり、思わず何度もうなずいてしまった。家を建てることがあるなら、この家のデザインがいいと、大真面目に考えているところだ。もっともこれだけ窓の面積が広い家なら、周辺の民家との距離がないと、中がまる見えになってしまって防犯上は問題だが(笑)。
ところで、ほぼすべての建築物の中には、係の方がそれとわかる服装(上着などを着用)で案内に立っていて、かなり丁寧に話しかけてくださる。写真館だった家の見学中には、嬉しいことがあった。平日午後であまり人がいなかったためか、その建物の2階にある写真家のアトリエで「お写真を撮りますよ」と、係の方が見学者を撮影してくれたのだ。わたしもiPhoneをお渡しし、連れと記念撮影していただいた。なんともありがたや。実は7月が記念日で、自分でも驚くことに銀婚式である。思いがけないことで普段着の撮影ではあったが、気分は銀婚式のようだった。
高円寺方面からの交通費は、だいたい片道400円くらい。行きは西武線の鷺ノ宮駅から急行で12分の「花小金井」まで、206円(ICカードの場合)。その後、バスで小金井公園の西口までだったが、これがおそらく180円くらいだったと思う。ICカードなのでキャッシュでは払っていないが、表示がそれくらいだった。
帰りは同じバス停からJRの武蔵小金井まで移動し、それがおそらく180円。その後は高円寺まで216円(ICカード)。
西武バスは中央から乗って整理券をとるかICカードでタッチしたのち、降車時に現金またはICカードでタッチ。いつも乗っている関東バスは均一料金で、乗車時に一度タッチするだけなので、違いに驚いた。これほど近くでもシステムが違うとは。
たてもの園は、残りのゾーンも見たいので、また近いうちに出かけたいと思う。