無愛想な対応を受けた場合「にべもない」と言うが、あの「にべ」は、漢字で書くと「鮸」で、鱗のあるイシモチなどの魚を指すそうだ。その鮸の鱗で作る膠(にかわ)を指して、それがないということは、つまり「粘り気がない」、別の言葉に代えれば「反応がない」(暖簾に腕押し)の意味として使うようになったらしい。(参考: Weblio 鮸膠も無い)
そういえば「木で鼻をくくる」も同じ意味だったと思うが、そちらの「くくる」は、もともとは「こする」意味の「こくる」だったそうで、なるほどそれなら意味が通る。くくるとは何事かと、ずっと気になっていた。
さて、なぜこんなことを書いているかというと、もう10年以上も会員をしているのだが、ある企業提供のインターネットサービスでのことだ。ベータ版と書いてはあっても一般公開されていたツールに、設定ミスもしくは誤動作があることに気づいた。それをわざわざメールで報告したというのに、その返事が定型文「ご意見はつねに歓迎し、ありがたく拝見しております、どうのこうの〜」である。
わたしは自分の書いた内容が間違っていたとは思えないし、実際のところ軽い問題が生じて、その原因を特定するのに時間がかかったのだから、メールくらいしてもバチは当たらないはずだ。仮にそれが先方の、そのメール定型文を送ってきた人のせいでないにせよ、わたしの側に問題はなく、先方の「誰か」が直せるはずの不具合である。それなのに定型文とは。もっと真摯に反応できないのか。
怒っても仕方ないのだが、以前はもう少しまともな返事をもらっていた記憶があるだけに、残念でならない。