半月前のニュース記事だが、複数の上司から二日にわたって貸し会議室で長時間責められたヤマト運輸社員(米沢市内の営業所)が、昨年秋に飛び降り自殺をしたそうである。
2018.08.31 河北新報 「荷物のマツタケ盗んだと疑われ夫が自殺」ヤマト運輸を社員の妻が提訴
思うのだが、やったかやらないかを尋ねるのに、二日はかからない。時間がもったいない上に、容疑を本人が否認していた場合には「証拠がないならそこで話は終わるしかない」はずだ。
つまり、この男性が二日間にわたって何を言われていたかというと(ここは想像がはいってしまうのだが)、盗んだかどうかではないかもしれない。会社側としては、見つけることができない松茸を、あ〜誰かが責任をとらなければ格好がつかないなぁ、どうしよう、紛失の責任は誰がとるのかなぁ〜と、何回もまわりくどく、あの手この手で話しかけ、退職してもらおうとした可能性も、あるのではないだろうか。
ひとまずお客側には「真相をきちんと調べますが、申し訳ありませんでした」と謝っておき、そのあとで犯人が内部なのか外部なのか、あるいは過失または事故によるものかを調べればよいし、その作業をすべて社内の人間が密室でやることはない。損害には保険会社もからんでくるだろうから社外的な力を借りることもできるし、警察を入れてしまってもよいと思う。まあ、できるだけ隠そうとして社内でなんとかしようという風土は、ヤマト運輸でなくてもよくある話かもしれないが。
それにしても、松茸で人が死ぬとは、なんともやりきれない。