先週の火曜日から開始で、およそ今月いっぱいの予定と聞いているが、家の外壁を洗って塗装を直し、雨樋交換や屋根のチェックをする作業が進められている。先日は圧力洗浄で家がきれいになった話を書いた。
その翌日から、ほぼ透明のポリ素材(正確な材質はわからないが通称ビニールとでも書いておこうか)をふんだんに使って、家が密封された。窓ガラスにも外からぴったりと目張りがなされ、しかもご丁寧に外からガムテープで窓枠いっぱいに×がつけられた。最初は面白半分で「E.T.をかくまっていたエリオットの家に、ピーター・コヨーテたち政府の人間らがやってきた」と笑っていたのだが、だんだんと「封印された魔物」の気分に。家の中で空気が動かないというのは、ほんとうにつらい。
なぜ覆われたかといえば、塗装し直し作業の際に流れ落ちてくるペンキの付着を避けるためで、それは必要な作業だと頭ではわかっているのだが、落ち着かない。
なにせ、密封である。屋内でドアを開け閉めする際にも、空気の抵抗を感じる。浴室の換気扇をつければ、いつもより力を入れて排気しようとしているのがわかるほどの、大きな音量。さらには義母のいる部屋の片隅が、かび臭くなってきてしまった。室内用の除湿乾燥機は、あいにくと外に干せない洗濯物の真横で使っているので、義母の部屋には回せない。そして音と夜間の気温を思えば台所の換気扇をつけたままにすることもできない。あと何日この状態がつづくのか——ケアマネさんや福祉関係の人が打ち合わせにやってくるのは木曜だが、その日はなんとしてもかび臭さを除去しなければならない。
家の玄関ドアも、郵便受けの受け口と鍵が回せる程度のぎりぎりの鍵穴スペースだけを除いて、業者さんがすべてを丁寧に覆っている。笑えると思って覆われた初日にその部分だけは写真を撮ったが、いまやもう、家のどこであっても撮影したいという気分すらない。
わが家は日中ふたりともほとんど家にいるので「今日は東側の壁で作業している声がする」とか、「がりがり何か作業の音がする」というのは、どうしてもわかってしまう。無視することが難しい。そして日中に疲れて10分ほど目を閉じたときに、いつもならばそんな夢を見ないのだが、家によくないことが起こるような生々しいことが目に浮かんで、飛び起きてしまう。普段は人がぜったいに立てないような高さ(2階部分の外壁)に人の気配がするのだから、かなり神経がまいっているのかもしれない。
ひとまず、窓だけでも開けられる日が早く来てくれたらよいのだが、もしや作業期間内は、ずっとこのままか?
次は、外壁や全体がきれいになって「よかった」という話が書けることを夢見て。