今日は新宿のデパート内にある初めての店で炒飯を食べた。日本語が上手な中国人(と思われる)スタッフが多めで、日本語ネイティブは少なめだった。
丁寧な応対だったが、最近あまり日本人同士での会話では聞かれなくなってきた、話しかける際の(意味としては「あの〜」のような)「すみません」を耳にしたとき、何か謝られるようなことがあったのかと勘違いしてしまった。
ゆっくりと丁寧に「すみません、あの、お水…」まで相手が言いかけた段階で、わたしは勝手に「ああ、こんな雰囲気の店でも、水は自分でとってくださいと言うのか、ちょっと意外ではあるがセルフ方式ならばとりに行くしか」とまで考えてしまったが、つづきは違った。「(お水)…と、お茶と、どちらがよいですか」だったのだ。お水をお願いしたら、すぐ気持ちよく持ってきてくださった。早とちりが恥ずかしい。
大昔にロンドンの空港内にあった免税ショップで日本人女性が係員に「そーり、そーり」と話しかけていたことがあったが(おそらく「すみません」の直訳)、そういう際の「すみません」なら、まだ一般的に広く聞くことはあると思う。ただ、話の途中でなんとなく挟む「すみません」は、だいぶ減ったような印象を受ける。
それから話は微妙に異なるが、わたしの例で1万円札の話。幼少時から親に1万円札は相手に迷惑になることがあるから、小さいお店や医院などでとくに朝は使うものではなく、事前に大きな店で崩しておけと言われていた。その癖で数十年後の現在ですらつい「あっ…、すみません、1万円札ですが」と言ってしまったのだが、わたしがその「すみません」を言ったか言わないかで、相手の顔に「お金が足りなくてこれからATMに行く人なんだ」という表情が浮かんだのを、わたしは見逃さなかった。こういうときには、もう「すみません」は使わないものなのかもしれない。