わたしの田舎を中心に食品を製造販売しているメーカーの話。そういう縁があるとは知らずに買い物してからというもの、ギフトシーズンに薄いリーフレットを送ってくるようになったので、わたしは多少の親近感をいだいていた。
今回わたしはきちんとリーフレットを見ていなかったのだが、たまたまそれを見た家族が「なんだこれ」と声をあげた。見てみたところ、食品なのに男女別のギフトセットが複数掲載されていて驚いた。おそらく全体が10あったとして、6以上は性別が書かれたセットだったように思う。
仮にだが、性別によって身につける衣類が違うことが多いのは事実であろうから、男性向けギフトと書かれた欄にネクタイが、そして女性向け欄に花柄ハンカチがあっても怒る人はさほどいないかもしれない。だが今回の食品ギフトは(調味料や加工食品の会社であるが)なぜそれが男女別になっているのか、理由がまずもってよくわからない。
もしや「肉っぽい雰囲気」は男性で、「さっぱりしていそう」なものは女性、なのか…? ざっと見ただけではまったく理屈がわからなかった。不思議である。そして同時に、選ぶ側もらう側の双方にとって、これは大きなお世話であるとの思いが拭えない。もらう側に商品名として性別が伝達されないにせよ、送り手の商品選択が受け手の性別という情報で左右されてしまいかねない。会社の担当者が思う男女別への主観を、顧客に押しつけてしまうことに、なりはしまいか。
いつもならこういう話題はわたしが先に発見してぶつぶつ言うのだが、家族が先に「なんだこれ」を連発。「だめだこの会社」とまで断言していた。わたしも自分の出身地であることから恥ずかしい気持ちがなかったと言えば嘘になる。それも含めて「いまのご時世にこれが」と、呆れてしまった。
北関東の小都市なのだが、企業の意識は、まだまだなのかもしれない。