昨日だったと思うが、数年くらい前からネット上で話題になっているらしいことで、地域によっては生徒に無言で給食を食べるように指導している学校があるらしいと知った。その指導の理由はわたしにはわからないが(そして地域などによって理由はいろいろあるのかもしれないが)その光景を想像してみるとけっこう怖い。育ち盛りの子供たちが無言で昼食…うぅむ。苦行か。
そしてたまたま数年前のFacebook投稿で、わたしは自分が給食(あるいは団体で食べる食事)が苦手であったと書いていたことを思い出した。食べるのが遅かったし、食べる作業に飽きてしまって苦痛になり、終わりにしたいと思うようになったのだ。
だが幼稚園のときの先生にかなりの頑固さを持つ人がいて「自分から『先生パンを残します、ビニール袋をください』が言えないような子には、渡しません」と、目の前でビニール袋を持っていながらじっとわたしに「さあ言いなさい」と目で脅してきた。ほかの先生が様子を見に来ても「ビニール袋くださいが言えないんですよ、この子は」と。
幼稚園時代とはいえわたしのことだから、意地でもそれを言わなかったと思う。おそらく誰かがとりなして、わたしにパンを持ち帰らせてくれたのだろうと思うが、ほかの子供たちが席を立って外で遊んでいても、わたしの席だけはそのままで先生がひとりで仁王立ちしていたことは、一度や二度ではなかった。
小中学校時代は、学校の方針なのか教育委員会なのか、とにかく誰かの方針が毎年のように変わって「ぜったい残してはいけない」と、嫌いなものでもすべて食べろと強制されることが多かった。子供たちは「給食センターに持ち帰らせないという意味だよね、じゃあ苦手なものは交換するか、持ち帰ればいいんだよね」と解釈したこともあったが、さらなる方針変更でひとりがぜんぶを食べ終えろと言われた時期もあった。そのときは「食べ終えたら食器を拭いて給食センターに返しましょう」と言われていた時期と重なったのをいいことに、食器を拭く振りをしてティッシュに嫌いなおかずをつつんで捨てたことも(笑)。
あんな経験を経てもなお、食べることそのものを嫌いにならなかった自分に多少は驚いている。
それにしても、当時もし「無言で食べろ」という方針があり、しかも同時に「残すな、交換するな、捨てるな」があったら、どれほどつらかっただろうかと思わずにいられない。