Facebookではお友達のみなさんに愚痴を聞いてもらったが、ゆうちょ銀のパスワード変更の件で泣きたくなった。自分のうっかりミスとはいえ、パスワードがブラウザ上で上書きされて、わからなくなってしまったのだ。しかも携帯電話のアドレスを登録していなかった場合はウェブ上で新規に設定し直しができず、「書類をプリンタで印刷して郵送で尋ねるしかない」のだという(涙)。
ざっと説明すると、こうだ。わたしは先日ゆうちょダイレクトに申しこむ際に、ログイン用パスワードをブラウザおすすめの強力パスワード自動生成にしておいた。あまりこういうことはやらないのだが、なんとなくそうしてみた。
今日になって、ゆうちょダイレクトの制限解除番号というものが郵送で届き、それを90日以内に登録するとすべてのメニューが使えるようになるという。すでに現状のままでも残高照会がしたかっただけなので目的は果たせており、不都合はなかったのだが、せっかく到着した番号を90日を超えて放置したらどうなるかというのも考えたくなかったので、その番号を入れるためにログインした。
すると、制限解除番号を入れて順調にメニューを進んでいった最後に「ダイレクト用暗証番号」を作成してくださいと出た。
それを作成したとき、ブラウザがそれを新しいパスワードと認識して上書きしますかと表示を出してきた。わたしは「あれ、最初にログインしたときのパスワードがこれに変更になったということなのか、パスワードの代わりにダイレクト用暗証番号を作ったということなのか? んん?」と…ぼーっとした頭で、OKを選択してしまった。
もう、これでログインできなくなった。何せ自分が普段使っているようなパスワードのアレンジとはまったく異なる自動生成の文字列だ。モバイル用の残高照会アプリをインストールするときに1回入力したし、今回もログイン時に目視しながら手で打ったが、その2回で覚えられるほど単純な文字列ではなかった。
もしかすると、わたしはゆうちょ銀からログアウトする直前にそれに気づいた可能性がある。だがそのメニュー上にまだとどまっていた段階であっても、普通ならパスワード変更には旧パスワードを自分で入力するようになっているはずで、もし気づいていてもそれはできなかった。さらに具合の悪いことに、携帯電話のメルアドを登録していない人はオンラインでパスワード再申請ができないと気づいたのは、いったんログアウトしてしまったあとだった。それだけでもわかっていたら、オンラインで今日のうちにパスワード変更ができたというのに、あとの祭りだ。自宅のプリンタで先方のサイトから用紙を印刷し、パスワード再申請の郵送をしてきた。
それにしても、みずほ銀もそうなのだが、なぜパソコンのメールアドレスではだめなのか。システム開発者は、携帯電話のアドレスを過信していないだろうか。携帯電話なら本人が必ず使うものだという認識かもしれないが、パスワードをかけている人ばかりでもあるまいし、どこにでも持ち歩いている人ばかりでもない。
わたしはパソコンでもどの端末でも、自分の必要とするメールアドレスが使えるように設定しているし、携帯電話会社提供のメールアドレスは、携帯電話利用者でたまにパソコンからのメールを受けない設定にしている人にSMSを送るか、みずほバンキングの通知を受信するためだけに使っている。正直、それだけである。
iPhoneに入れていたゆうちょの残高照会アプリは、今回のログインパスワード紛失とは関係なく見ることができるので、ためしにそこのメニューからAndroid端末に使っているY!mobileのメルアドにアドレス変更してみた。
どうやら、携帯メルアドを登録する端末に残高照会アプリがはいっている必要があるらしいので、Androidに送られてきたメールをiPhoneに転送してそこからクリックすることで、アドレス変更ができた。だがこれも、ちょっと曲者だ。SIMフリー端末でいわゆる「携帯っぽいメルアド」を持っていないスマホ利用者は、どうなるのだろう。
わたしがもしAndroidでワイモバのメルアドを持っていなかったら、話はまた違ったと思う。
今回の件で、ゆうちょ銀のシステムから透けて見えるのは、世の中のほとんどの事例で(1)パソコンは複数で使っている可能性があるため危険という思いがあり、(2)パソコン用のメルアドは携帯では使えないだろうから携帯のほうが確実という思いこみがあり、(3)携帯は大手通信会社のものを使っている人ばかりで、アドレスで識別すれば携帯であるとわかって便利(SIMフリーの存在は想定外)…ということなのだろう。
また、わたしはプリンタをたまたま持っていたのでパスワード再申請の紙と、切りとって封筒に使うための型紙のような用紙をダウンロードできたが、パソコンを持っている人ならみんながプリンタを持っているというわけでもないと思う。
申請後、おそらくパスワードは紙で送られてくるらしい。それもなにやら、時代錯誤な気がする。いいのかそれで。
自分のうっかりミスとはいえ、まさかこんなに不便で堅苦しいことを実感させられる羽目になるとは、思ってもみなかった。