以前に何度かFAX等で注文をした菓子店が、オンラインでクレジットカード対応のショップページを開設していることに数か月前に気づいた。ただ、そのときは見間違いかと思ったのだが、いまどきSSLに対応していない。
できたばかりでSSLに対応していないのかと、何週間かに一度は見ているが、いまだに対応していない。しかもサイトの隅に「注文はこのオンラインショップで」と、かつてのようにFAXで受けつけてくれないかのような文言が記載されている。いったいどういうことだろうか。わたしは自分が買い物したことがある菓子店は無意識のうちに巡回していることが多く、その店のオンラインショップが完備したのはおそらくどれほど長く見ても1年以内くらいではないかと思う。1年くらい前の段階ならば、SSLに対応していないショップというのは、ちょっとありえないことだ。
どうありえないかというと、忙しい製菓業のかたわら自分でネットにショップのソフトウェアをあげてメンテできる社員さんがいる可能性は、かなり低い。プロまたはどこかの業者に依頼したはずだ。つまり依頼された側がSSLに対応しなくてよいと考えたことになる。仮に店がネットのことに疎いとしても、業者が疎くてよいはずはない。
いまのご時世、SSLに対応していなくてさほど問題にならないのは「読ませるだけ」のページである。あるいはせいぜい(電話番号やクレジットカード番号など深刻な情報を含まない)シンプルなコメントを書かせる掲示板くらいか。ログイン認証が必要なサイトや、個人情報の入力が想定されるサイトでSSL非対応というのは、いまどき考えられないことだ。数年前と違っていまは料金も下がっているし、わたしのように無料で使っている人間もいる(さくらインターネット、ロリポップ、ともに独自ドメイン使用者に無料でSSLを提供開始して1年以上経つため)。仮に店の側で知識や危機感がいまひとつでも、そこは業者がうまくとりなして、SSLに対応させるべきだ。
商品は気に入っているし、これからもご縁があればと思う店ではあるが、かといってわざわざ「SSLに対応していないので、カード番号を入力できません」といった要望をメールする憎まれ役になるほどの度胸はない。
こうした、実際に店舗で販売しているお店がネット通販に乗り出す際の情報リテラシー向上は、どこが音頭をとっていくべきものなのだろう。消費者側の立場で言わせていただくなら、IT関連のコストはケチらないでいただきたいが、おそらく店の側にしてみれば、間に立つ人間(業者)にまかせてあとは関与しないほうが気楽ということで、あまり学ぶつもりはないのが実情かもしれない。