知らなかった。検索してみたら日本でも何年も前から記事を書いている人がいたらしいが、今日ニューヨークタイムズを読むまでまったく考えたこともなかった。
F.D.A. Panel Recommends New Depression Treatment – Feb. 12, 2019 by NY Times
(FDA:米国食品医薬品局の委員会が、うつの新しい治療法を勧告)
記事によれば、まもなくジョンソン・エンド・ジョンソンから鼻用スプレーが発売され、それに含まれるケタミンの有効成分によって、うつ症状が改善される見こみという。このままの流れが進めば、アメリカ国内の大部分の保険会社がそれを保険適用とするため、患者の負担も減るとのこと。
ケタミンといえば、馬などの大きな動物にも使われる強力な麻酔薬である。人間用に悪用されたらたいへん危険なものだ。わたしの認識はそこまでだったが、この数年で、偶然の産物として、うつの人に短期間の使用で効果が現れることがわかったらしく、今回の正式な承認を待たずに治療に使用してきた医療機関もあったようだ。
それにしても、どこで何が発見されるか、わからないものだ。かつて重篤な副作用で多くの人的被害をもたらしたサリドマイドも、その40年後に別の役割の薬として注目され、現在は日本にもはいってきているという(もちろん処方薬である)。
うつの方々の負担が、少しでも減ることになればと、願っている。