タレントの堀ちえみさんが舌がん闘病中であることを公表してから、口内炎の記事をよく目にするようになった。だいたいは2週間から1か月以内に治るものであるという。それ以上につづいたら受診をとの記事がほとんどだ。
ゆうに15年以上前だったと思うが、わたしは半年くらい口内炎が(しかも口内の両サイド)つづいたことがあった。ひどい時期には舌にもびっしりだったと思う。食べられないし、つらかった。
病院に行くことをおっくうに考えない性格であるため、まずは歯科医に出かけたが、虫歯の治療を優先されてしまった。1回目に口内のレーザー治療をしたのち、2回目以降は歯の治療で「口内炎、まだ治っていませんね」と言われた。腹が立ったので途中で行くのをやめて、近所の内科に出かけた。
見てすぐわかるほど両側に顕著な口内炎だったので、口内軟膏とビタミンBを処方されたほか、血液検査をすることになった。そして診察ののち、膠原病など口内炎に関係ありそうな病気の気配はないため、しばらくビタミンBと軟膏でと言われた。
大きな病気でないならばと、それから半年くらい、自分で市販軟膏とビタミンBサプリを買ってきてこらえた。
もう1回ほど、半年ということはないがそこそこ長期の口内炎があったと思うが、同様にした。
それから数年したとき、口の中に大量の口内炎と、体中にまるで帯状疱疹のような、痛みを伴う赤いしこりができた。そのときは近所のクリニックが大きめ病院に紹介状を出してくれたため、皮膚科に行った。そこでも大きな病気ではないかと検査をし、皮膚から真っ赤な固い発疹を切りとって調べたが、原因は不明だった。熱を下げれば口内炎が治ることだけは間違いないのでと、ロキソニン(いま思えばわたしには強すぎる)を処方され、何週間かは飲んでいた。発疹の一部は黒い大きめのほくろとして、しばらくの年月は体に残っていた。
それからさらに3年くらい経ってからだったと思うが、体調不良(神経痛も含む)で解熱鎮痛剤を服用していた時期に、ついに幼少時からその気配があった消化器疾患が顕在化し、人生初の入院(しかも長期)になった。その病気は具体的な原因はわかっていないが、免疫システムが誤動作で過剰に反応し、自分自身を攻撃すると言われている。
よく考えてみると、口内炎も、ほかの体調不良も、それらを鎮めるために服用してきた解熱鎮痛剤が腸に強すぎてさらに体に負担をかけ、またそこで口内炎…といった具合に、原因と経過が循環してどこがはじまりだかわからない状態になっていたのかもしれない。
わたしは長期の口内炎をもう経験していないが、やはり長期の場合は、通院してみたほうがよいように思う。あとで悔やむよりは、1回だけでも。
堀ちえみさんの回復を、祈りつつ…。