老いたなという実感はたびたびあるのだが、今日はさすがに、まずいかと感じた。
吉祥寺に「ゴジラ」の新作を見に出かけた。あまりおもしろくなかった。どこからつっこんでいいのかわからないほどで、う〜む…まあ、それはともかくとして。
見ている途中から、さほど座席が埋まっていないこともあってかエアコンがきつく感じられ、さらには周囲もノリノリで見ている人が少ないためか多少のざわつきがあり、わたしはちょっと落ちつかずに、後半から余計なことを考えはじめた。もしや席の近くにサングラスを落としたかな、と。
リュックにしまった記憶はないので、膝か椅子のどこかにサングラスが乗っていなければならないと、そっと手探りしたが見つからない。いよいよ映画が終わって明るくなったとき、周囲を見てリュックの中も見て、やはりない。もしや、そもそもサングラスをしてこなかったのかと、やっとその可能性に思い至り、同行者に尋ねると「していなかったような気がする」との答え。
そして、家に帰ってきたら、いつもの場所にサングラスが置いたままだった。
ずっとものを探しては、何を探しているのか忘れてしまい、しばらくするとまた探しものをするのが認知症の初期症状だ。まだわたしは自分で「リュックにしまった記憶はない、周囲に落ちていないなら持ってきていないのだ」と判断できたが、これ以上に進まないことを祈るのみ。
認知症になるのは、ごめんである。