米国のモデルであり実業家であるらしいキム・カーダシアン・ウェストという方が、kimono.comを取得したほか、kimonoが含まれるドメインを複数所持しているらしいという報道がなされた。大きく話題になったのは、それが日本の着物とは関係なく、彼女が独自のシェイプアップの補正肌着ブランドにkimonoという名前を使う予定であるからだ。
おそらく世の中の多くが「いままで誰がkimono.comのドメインを持っていたか」と検索したと思われる。わたしはたまたま15年くらい前に日本の着付け学校が持っていたらしい情報を見つけたが、おそらくそのあとも、何回かは所有者が変わったか、あるいは使うつもりで取得した人が活用しないままに転売されたかなどだろうと思う。
目立つ意味でのkimono.com所有者変遷は、軽く検索した程度では見つけられなかった。着付け学校の件はたまたま「15年くらい前の日付で検索してみよう」と思ったから見つかったのであって、そのほかの年代で検索すれば、また違うものが見つかるのかもしれない。
さて、おそらくだが「人からどういうドメイン名が検索されているか」の上位ランキングのようなものがあって、あまりに検索頻度が高い場合は、どこかで業者が「売りに出さずにとっておく」ということがあるのではないかと想像している。まさかkimono.comが普通に売りに出されているとは、思えないからだ。検索頻度の高いものはどこかで誰かが持っていて、高い値段での取引チャンスを待っているのだろう。
うさぎが切り株に頭をぶつけて死ぬのを待つ話がある。もちろん、そうそううまくいかないことを諭すためのオチがついている。だが世の中には、気まぐれに大量のドメインを取得して転売を狙う人もいるかもしれない。取得者名を公にしていなければ、どのくらいの人数でどれくらいのドメインが取得され、転売待ちしているかは、誰にもわからない。
将来的には、いやすでにはじまっているだろうが、予算に少し余裕があるならば、企業や団体が自分たちに関係ありそうな名称のドメインを、仮に使う予定がなくてもおさえておく例が増えるだろう。誰かに取得されて「そちらは偽物」などと言って回る労力を考えれば、似ているものを使わせないほうが楽だからだ。
せちがらい世の中である。