今日、思うところあって「無添加」という単語を調べていた。するとどうだろう、無添加マーガリンというものが出てきた。
ちょっと待ってくれ、マーガリンは添加物がなければ普通は作れない。複数の油を乳化させてビタミンや香料を入れて作るのがマーガリンだ。乳化作用には、添加物を使うはずである。おもいっきり手間暇をかけて、添加物をつかわずに乳化をするようなことが、大手企業ならできるのか…と、複数ある「無添加マーガリン」のうち、ひとつの原材料を見たら、食用精製加工油脂というものが書かれていた。これは農水省のPDF資料によれば、乳化作用があり酸化安定性を持つ商品らしい。立派に添加物である。
以下、上記リンク先より引用
食用精製加工油脂:
動物油脂(水産動物油を含む。以下同じ。)、植物油脂又はこれらの混合油脂(以下「原料油脂」という。)に水素添加、分別又はエステル交換を行つて、融点を調整し、又は酸化安定性を付与したものであつて、かつ、食用に適するように精製(脱酸、脱色、脱臭等をいう。)をしたものをいう。
これで、乳化剤無添加のマーガリンと名乗っているようだ。乳化剤と表示すべきと決まっている成分が使われていなければ、ほかの添加物が使われていても好印象になるということだろう。
悲しいかな、こういうものに引っかかってしまう消費者が多いのだ。
わたしもかつては人のことを言える立場ではなかったが、2004年以降は製菓の通信教育を受け、その後に製菓衛生師の試験もパスし、いちおうは食品や添加物に関して、一般の人よりは頭にはいっているほうだと思う。その後も食品に関しては日夜あれこれと検索をして、気になることは整理して頭に入れている。
今後「無添加」という言葉を見かけたら、お読みのみなさんにはぜひ、何が無添加か(何を使っていないか)がはっきり書かれているかどうかを、確認していただけたらと思う。漠然とただ無添加ならば原材料欄を確認し、実際にその表示がシンプルかどうかを見る。あるいは、はっきりと○○不使用と書かれていたならば、表示に見慣れない単語がないかどうか、あればGoogle検索してみるとよいだろう。何かと面白い発見があるはずだ。
翌日追記:
文章の意図をより明確にすべく、追記。添加物を毛嫌いすることには意味がないと考えている。それよりも、実質的に同じようなものを使いながらも添加物を使っていないかのような、無添加というよい表現をする商品には、問題があると考える。