勤務する人がいる普通のビルに、昼間に押し入ってガソリンで放火をするという事件が京都で起こった。30名以上がお亡くなりになり、現在も重傷または重体の方が多くいらっしゃるようだ。ほんとうに許せない事件である。
さて、人が予想もしていなかった形で大量もしくは無差別の殺人事件が起こるたび、わたしは「加害者に男性が多い」と感じていた。あまり性別で偏見を持ってはいけないと思い、そういう表現で検索をしたことはなかったのだが、思いきって入力してみると、すぐさま法務省のデータが出てきた → 無差別殺傷事犯に関する研究: 第3章 無差別殺傷事犯の実態
無差別殺傷事件の調査対象52人のデータで見るかぎり、平成23年の女子比は24.5%だそうである。近年20年ほどで16.2〜24.5%を推移しているという。
前半を中心にざっくりとデータを読んでいって、傾向として高そうなのは:
大都市圏に居住し、ひとり暮らしで、男性で、過去には勤めた経験もあったが現在は働いていないか、もしくは不安定な雇用形態で収入が安定しておらず、親しい知人などが少ない…ということだ。
女性にも孤独で、収入が高くない人は多いはずだが、無差別殺人を起こす傾向が男性より低いのは、なぜだろうか。
ここからはわたしの考えだが、社会が女性の生活や生き様に、強く干渉することが一般的であるためと思う。生まれてから思春期までは手厚く世話を焼かれ、自立心が芽生えて親元を離れてのちも、婚期についてやその後の生活など、かなりの部分で周囲が干渉する。そのため女性は、孤独になるとはいってもその程度が男性より「浅い」のではないだろうか。
いっぽう男性は、いったん親元を離れるような年になれば「自分でなんとかしろ」と放任される度合いが高い。自分から友達を作るのが苦手な人は、いったん孤独を感じるとどんどんと深みにはまり、暗い方向にばかり考えてしまいやすい…ということも、理由の大きな部分として、あるように感じている。
男性の多くが社交的になって明るくなれば事件が防げるとまで書くわけではないが、男性が孤独になったときに立ち直りづらい社会であるからこそ、状況を悪化させてしまうということは、あるはずだ。
最終的には男女を問わずの話であるべきだが、もっと世の中全体のストレスが減る生き方を、考えていかねばならない。そしてそれに向かって具体的に努力をしていかねばならないと思う。