この半月くらいどうも頭がはっきりしていない自覚があり、これは夜にきちんと眠れず昼間にうたた寝をしていることと、関係があるのだろうと思う。かといって、ストレスか何かが原因であろうと思われることであり、現段階では、医者に泣きついて睡眠薬をくださいというつもりは、さらさらない。
それに、わたしはやっと眠ってすぐ夜間に目覚めてしまっても「もーやだなぁ」と思う程度で、何が何でも寝てしまおうとは思っていない。倒れるほどに疲れていれば寝るはずだから、きっとなんとかなるだろうと考えて朝を待つ。そのうちよくなるだろう。
だが、数日前に、ある人とのあいだでこんなことがあった。頭が疲れていると想像力が働かなくなるらしい。
その人の携帯に電話をしたが、電源が切れているか電波が届かないところにいると音声が流れるばかりで心配になった。わたしの個人的な感覚として、携帯の充電を忘れる人はいない。そしてその人は外出が多いわけではなく、1日の大半を電源のある屋内で過ごしている。ならば携帯の電波が届かないような場所に行っているのだろうか、と。
いちおう電源が切れている可能性も考えて固定電話にかけた。固定電話も留守電になっていれば急な外出に間違いないだろうと。
固定電話に、出ない。
ますます心配になり、共通の知人にメッセージを送って「用件はこれこれなのだけれど、伝えるチャンスがあったら伝えてください。電源がはいっていないと言われて電話できない」と連絡。すると返事があって「伝えておきました」とのこと。
おい、ちょっと待て、どうやって伝えたんだ、携帯は電源がはいったのかとかけてみれば、やはり同じ音声が流れる。また同じ人にメッセージで「なにかあったのか」と尋ねると「充電していなかったんでしょう」とのこと。
充電を忘れる人はいないというわたしの思いこみがあったために、話が大きくなりかけたが、数時間して本人から電話があって、ひと安心。やはり充電をしていなかったという。「ではなぜ、固定電話に出てくれなかったのか」と尋ねると、固定電話はたいていセールスなので、大事な用件の人はかけてこないから、鳴ってもあまり気にしないようにしていた、ということらしい。たまたま受話器をとる場合もあるが、気にしないことが多いため、わたしからの電話はその「気にしない」に回ったようだ。
立場が違う相手のことを、自分と同じように考えるはずと思ってしまい、こういう勘違いが起こってしまうのだろう。今後はもう少し想像力を働かせようと思う。
そして今日、つい先ほどのことだが、自分でもうっかりすることがあった。
毎日1回は見にいっているサイトで、ログインするというメニューの3センチくらい下に、登録するメニューが出ている。わたしは手でも滑ったのか、どうもログインのつもりで登録を押したらしい。似ているがいつもと少しだけ違う確認画面が出た。
少し気味が悪かったので、いったん画面を離れて、トップページからまたそこを見にいったのだが、キャッシュでも残っていたのか、同じ画面に誘導されてしまった。
すでに会員なのに住所の確認でもさせるというのだろうか——いったいこれ、偽サイトだったらどうしようか…などなど、画面をじーっと見たが、普段使っているログインの画面と登録の画面はよく似ていて、URLにも不審点はない。
ただ、すでに登録してあるため登録すべき内容が8割くらいそのまま出ていて、ただの確認画面になっている。未記入のところを入れていったが…さすがにこれはおかしすぎるだろうと、別のブラウザを立ち上げていつものメニューを呼びだしたら、確認画面はなくて、そのままログインできた。
あわてて、その作業をやりかけていたブラウザ画面を閉じ、トップページをふたたび呼んでリロードをかけてからメニューを押してみたところ、通常ログインができた。
まあ、おそらく、同じサイト内で同じ名前の人物が最後まで入力して「次」を押したとしても「あなたとっくに会員じゃないですか」と言われるだけだったとは思うが、やはり頭がすっきりしていないときには、よりいっそう、落ち着かなければいけない。