中身は従来品でも期間限定の記念パッケージをどうしても手に入れたいというマニアな方もいらっしゃるかと思うが、食品に関しては、わたしはいつも複雑な気分になる。
外箱だけが記念柄で中身が通常柄であるなら、とっておきたい人は外側のみ保存し、内側は食べてしまえるため、あまり食品ロスにはならないかもしれない。たとえば菓子店の「箱だけが今月はゆるキャラ」などであれば、食べ物は無駄にならないため、微笑ましく見ていられる。
だが半年以上の日持ちがするような商品(たとえば顆粒のインスタント飲料やカップスープ)を、スーパーなどでは季節が変わるごとに店内で見切り販売、それでも売れそうになければ廃棄同然に格安店へ卸してしまうことがある。これはあまり健全とは思えない。商品の中身は普通に飲食できるものがほとんどだが、見た目からして季節を外れた色合いのパッケージだと、買う側も古いものかという気持ちになってしまう。
今日わたしは缶入りの甘酒飲料をネットで見ていた。夏が終わったので夏用の缶を安く売っている店があった。秋冬の缶と成分が違うのかと思ったら、まったく内容は同じだった。
どちらにでも使える柄を用意しておけばよいのではないだろうか。たとえば缶の左右で色合いを変えておけば、店舗に「夏に棚におくときは涼しげな色を手前に、秋冬では逆に」と協力を頼むだけでだいぶコストが下がるし、季節が変わっただけで無理に在庫を格安販売しなくても済むはずだ。
過剰な量の生産や流通をさせるよりも、うまく流通させて無駄なく食べることを、メーカーや店はもっと真剣に考えていくべきだろう。