タイトルの意味はのちほど説明するが、ゴーン夫妻の件だ。
レバノンは、国単位なのか高官らが個人的に優遇したのかは不明だが、ゴーン被告の到着に関与していると考えるのが妥当だ。受けいれてもらえる約束がなかったのなら、日本を出てレバノン入りするリスクはあまりに高い。
トルコもまた重要な舞台となったため、関係者がいたと考えるべき。これは航空会社の人間に逮捕者が出たとの報道もあることだし、トルコとしては国が関与していないことを示すためにも、逮捕者を詳しく調べることだろう。
フランス…これも謎である。なぜパスポートが二冊あったのだ。普通は紛失でもなければ再発行はしない。国の要人でもあれば個人用と職務用のパスポートを出す場合もあるのかもしれないが、ゴーン被告はフランスの政治家や最重要人物ではない。紛失もしていないのに二冊あったとは、どういうことだ。どういう意図があったのだろうか。
ふたたびレバノンだが、到着直後に大統領が非公式にゴーン被告と会ったと初期に報道されていた。その後、そういった事実はないとコメントがあった。さらにレバノン国内で、かつてイスラエルに渡航したことを理由にゴーン被告を裁判にかけるという話も出てきた。これは今後どういう方向に行くだろうか。国内に受けいれる手はずを整えた人々または国の思惑、世論、日本に返すよう説得してくるインターポール、正直なところ「ああめんどくさいことになった」と、さじを投げる可能性も否めない。
そこにフランスがやってきて「うちで裁判にかけますから、日本ではなくこっちへ」と働きかける可能性もあるが、こうなるともうジュリアン・アサンジ氏(現在はロンドンで服役中)のように、どこにも動けない状態がつづく可能性も。
ここでタイトルの説明をしよう。
どの国も、状況を見ながら次の手を考えているところが、狸である。「あのおっさん狸だな」というとき、あるいは「狸寝入り」というときの狸は、実は英語では狐である。sly fox(ずる賢い狸め)、fox sleep(狸寝入り)のように使う。英語圏では日本の童話に出てくるような狸はなじみがなく、いちおう犬っぽい生き物の扱いで racoon dog と表現することになっているが、それでちゃんと通じるかどうかはわからない。なにせracoonはアライグマであるから、アライグマ犬と言って日本の狸のようなものをどこまで連想できるだろうか。
狐と狸の化かし合いといったように、日本では狸と狐がセットで出てくることがあるが、英語にしたときに狸と狐に縁があるように感じるのもまた、何やら面白い。
さて、日本であるが、面目丸つぶれといったところである。空港までどうやって移動したのかだけでもさっさと解明し、発表してもらいたい。