最高裁のサイトを見ていたら、一般向けの庁舎見学ツアー(約30分程度)というものがあるとのことだった。開催される場合は火曜か木曜で、詳細は電話で問い合わせるという。月曜に電話したところ、今日(木曜)ならば空いているとのことだったので、出かけてきた。
指定された「南門」というところに15時30分ということだった。早く到着したので20分ほど近所をぶらぶらと歩き、こんな撮影をした。
左下は時間が経ってから新宿通で撮影したもので、それ以外は15時〜15時15分ころの最高裁近くの風景。
15時20分ころに南門にもどり、電話した際に伝えた家族名を伝えると、個々人の身分証明などは求められることなく、中にはいれた。写真付き身分証明書を持たないことでいつも不便な思いをしているため、こんなときは習慣で同行家族の名前を使っているが、身分証明がいらないのなら自分の名前で予約すればよかったかと、やや後悔。だが聞かれもしないのに「身分証明は必要ですか」など事前問い合わせをしても話がややこしくなるだけだと思ったのだ。警戒しすぎだったか。
時間まで屋外で並ぶが、長い石段を進んで内部にはいると、すぐに「これから先は貴重品と筆記具以外はロッカーに入れていただきます」とのことで、部屋に案内された。そして金属探知機チェック。なるほど、これならば身分証明がどうのより強力だ。しかも退出時にわかったが、ロッカーのある部屋そのものが、見学中は厳重に施錠されていたので、係の人から離れて無断で退出することは、荷物を置いていくということを意味する。そしておそらく無断退出は不可能と思うのは、勝手に外に出ても制服の係員さんがきっちりとこちらを見ているということ。退出時は「見学が終わりましたのでみなさんが向かいます」と案内係の女性が内線で伝えていた。それ以外のタイミングで誰かが出てきたら、目立ちまくりだろうと思う。
帰りの出口で、係の方は、こちらの会釈に敬礼を返してくださった。気持ちがよい体験だった。
見学には関係ないが、南門をはいってすぐの場所(敷地内部)に郵便局があった。門の入り口に「郵便局にご用の方はこの門からどうぞ」と書かれていたが、重々しい雰囲気があっても「郵便局に用事です」と声をかけてはいってよいのだろうか——と思っていたところに、ひとり女性がはいってきて郵便局に直行するのが見えた。いつかわたしもやってみたい。
さて見学について。
荷物をロッカーに置き、金属探知機チェックをすると、裁判所ナビと書かれた小冊子がもらえた。
まずは広間のはずれにある建物模型をふたつ提示され、説明を受ける。ひとつは霞ヶ関にあった古風なレンガ造りの旧庁舎模型。そして現在の庁舎の模型。周辺を時間つぶしで歩いたときにやたら広いとは思ったが東京ドーム3.5個分だそうである。
模型の説明につづき、脇の入り口から石造りで荘厳な雰囲気のある広間へ移動。そこでテミス像や建築の説明を受ける。かなり広い。どういう用途に使われるのかは不明だが両端にソファもあった。大法廷が開かれるようなときには傍聴席にはいる前の準備段階として、人が集まって座るのだろうか。
最後に、その奥にある大法廷の見学。大法廷で扱われるほど規模の大きな事件は、年に3〜4回だそうだ。それ以外は三つある小法廷で合計100件ほどの裁判を行う。もっとも、検討した上で扱わない判断になるものも多いらしく、全体では1万件と少しの案件が全国の高裁から上がってくるのだそうだ。
最高裁判事は15人。名前をざっと見た限りでは、女性は2名のように感じた。だが男女別の解説はなかったし、Wikipediaも裁判官の性別は見あたらなかったから、間違いがあるかもしれない。
今日は最高裁だったが、勉強のために次は東京地裁の傍聴をしてみたいと思う。度胸をつけて、出かけてみたい。