武漢から帰国の人々のうち、第一便にふたりほど検査拒否の人がいたと報じられた(翌日に気が変わったようで、やはり検査を希望と申し出たとのこと)。
そのときわたしは「痛い検査なのだろうか」やら、「羞恥心でもともなうもので、精神的に受け付けなかったのか」やら、あれこれ考えたのだが、理由が想像できずにいる。国立感染症研究所のサイトによれば(2019-nCoV (新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル(2020年1月31日更新))、検査の検体採取には優先順位があり、痰や咽頭拭い液が望ましく、そのほかに予備として、血清、血液、尿、便ほかという記載になっていた。
症状が出ていない(もしくは自覚症状がない)場合には、痰をとるのは困難かもしれないが、咽頭拭い液くらいなら、少々「おえっ」となる程度でなんとかなりそうだ。これを拒否するというのは、いったいどういった事情があったのだろうか。
また、現地から帰国されたわけであるから、日本国内の人々よりは状況を真剣にとらえているものと思われる。自分が感染源になったら周囲の何十人何百人の人に迷惑をかけてしまう、さらにその人たちが拡散させてしまう危険性もある…それを考えたら、よほどの事情がない限りは、拒否をしようとは思わないのではないだろうか。
その「よほどの事情」に、何やら興味があるが、それが一般市民に明かされることは、まずないだろう。