ちょっと調べて驚いたのだが…。世の中が便利になってきたとはいえ、送金をしてくる相手が便利なサービスを使用してくれずに日本の銀行口座に直接振り込みするとか、小切手を送るので日本の銀行で換金と言ってきた場合には、かかる手数料は相変わらず膨大だ。
もう20年以上前だが、わたしはオーストラリア(だったか?)の会社から、日本のサーチエンジンに登録しまくってくれ、カネは払うと言われたことがある。その話は、実際に会ったことがないが日本のテレビ番組(南野陽子のスケバン刑事)が好きで連絡をくれたフィリピン在住の中国人が「自分はフィリピンを担当するから、日本やらない?」と声をかけてくれて引き受けたのだ。いまにして思えば当時はメールが中心の世の中で、よくそんな仕事に結びついたと思う。
1ヶ月くらいして登録の効果が出てきたころ、その会社が「小切手を切るから請求して」と言ってきた。だがわたしは「すみませんが銀行に海外小切手を持ち込むと数千円しちゃうので、ほかの方法にしてもらえませんか」と答えた。すると小切手の金額に手数料を上乗せしていいというので、近くのみずほ(当時は富士銀)に、金額を聞きに出かけた。
そのとき言われた金額が、たしか2500円か、3000円くらいだったと思う。ずいぶん高いんだなと思いながら先方にそれを伝えると、金額を上乗せして小切手を送ってきた。
ところがその富士銀(現在のみずほ)、わたしに受け取りの手数料「だけ」を伝えたようで、ほかに2000円くらいかかった中継銀行の手数料ほかを言い忘れていたらしく、届いた郵送の通知を見て思わずわたしは電話をしてしまった——「聞いてないんですけど」と。だがもう、手数料を引かれた金額が入金されたという通知なので、どうしようもない。苦い思い出になった。
ところが最近では、PayPalなどのサービスで海外の会社からお金をもらえるようになった。もちろんPayPalにしろどこの会社にしろ手数料は取るが(送る側にも送られる側にも、程度の違いはあれ手数料は生じる)、20年前の「数万円の稼ぎに対して手数料合計が5000円近く」というほど、極悪ではない。今後はそういうサービスをしてくれる会社からお声がかからないかと、ずーっと夢見ていたのだが。
…時代は変わったようでも、変わらないものはあるのだ。
ご縁があるかどうかわからないが、また海外からお金をもらえる機会があればと、手数料を調べていた。最近では日本を含む諸外国で、インターネットを使った在宅仕事(語学やインターネット関連)を提供する大手の企業があるようだ。その数社の中で、とくにひとつ「銀行口座のみ、手数料はそちらさん持ちです」と断言する会社を見つけて、驚愕。わたしのよく使うみずほ銀の場合は、中継手数料のほかに受取手数料2500円らしい。あの当時と同じだ。
仕事を発注する側にしてみれば、PayPalなどの会社に「手数料はびた一文、払いたくないっ」という強い思いの表れなのかもしれないが、外国で受取手数料を負担する人の苦労を考えたら、自分たちが何らかの安いサービス経由で手数料分を引いてから支払いをする選択肢があってもいいのではないか。その方が人は安心して応募できることだろう。