山口百恵の引退が1980年だったと知って、衝撃を受けているところだが…。いや、あらためて考えると、80年だったことがショックなのではない。現在が2020年だという事実にどう対応したらいいのか、あいだに40年あることをどう考えたらいいのかが、わからずにいる。
子供のころ、ノストラダムスの大予言が何やら大人気で、1999年より先のことは考えておかなくていいのだと思っていた。それにその年は子供時代から考えたら遠い先で、1999年までを考えることすらおっくうだった。
だがあれほど語られたノストラダムスさんはいま本屋から追い出されてしまい、行方知れずとなってひさしい。
ノストラダムスさんに別れを告げてからですら、約20年。山口百恵の引退からも、約40年。
そのあいだ、自分は毎日をずっと生きてきたのだ。
もしやこの「40年が経過したことをどう考えたらいいのかわからない」という落ちつかない思いは、そのあいだに自分が密度のある濃い年数をすごしたように感じられない、自分への恥ずかしさのようなものなのだろうか。