子供のころから都はるみの「アンコ椿は恋の花」を聞くたびに、あんこ椿という花があるんだろうと思っていた。方言かなにかの関係でわからないだけで、どこかの場所にはあんこ椿が咲いているのだと思っていた。
ところがいまさっき「あんこ椿のあんこって何」と、急に思い出した数十年越しの謎を解明しようと、検索してみたところ…
花じゃない(が〜ん)。
…あんこは、アネさんという意味だそうである。
歌詞をネットに書くとどこかの筋がうるさく飛んでくるようなので、みなさんには検索していただくとして、一部を自分なりに考えてみる。
作中で都はるみは、いくら書いても返事は来ないが、恋しいのでひたすら書く手紙を「あんこ便り」と歌っている。そして歌の最後は「あんこ椿は、すすり泣き」で締めくくる。つまりご自分のことを「椿ねーさん」と呼んで歌っているということかと、仮定してみる。
…真っ先に浮かんだのが、自分のことを名前で呼ぶ女性タレントさんだ。その方を個人的にどう思うわけではないのだが、自分のことを名前で呼ぶ人があまり身近におらず、けっこう違和感がある。そこまで書いてしまって失礼かとも思うが、子供っぽさが拭えない。
そんなイメージのせいか、一瞬あんこ椿の歌が「○○って〜」と自分を名前で呼ぶタレントさんに重なりそうになったが、思いとどまった。
昭和の歌謡曲のほとんどは、作詞者が男性で、しかもご高齢が多かった。この作品も検索してみたところ、作詞は星野哲郎氏とのこと。
女性が女性の歌を歌うといっても、作詞の際に作者は内容を客観的に突きはなしてとらえ、いわば大昔の活動写真(無声映画)での活動弁士のように表現させた、ということなのだろう。
とりあえず、あんこ椿という花がなかったことは、勉強にはなったが、ちょっとショックでもある。
誰か適当に「これがあんこ椿です」と、どれかの種類に名前をつけてしまえば面白かったのにと、不謹慎なことを考えている。