近いうちに北千住に行こうかと話をしている。買い物のためだ。実は新宿ですら最後に出かけたのが1月か2月だった気がしている。9ヶ月ぶりくらいに、都心方向に移動するというわけだ。
新型コロナの件で、わたしの行動範囲はJRなら中野〜阿佐ヶ谷、西武線ならば野方〜鷺ノ宮がせいぜいになってしまった(これらの地域なら、かろうじて徒歩でも出かけられるため)。吉祥寺にようやく出かけたのも最近だし、下井草でパンを買って阿佐ヶ谷に出たのもつい先日だ。新宿の駅構内が改装されたのも見ていない。東京駅のグランスタが拡張して売り場が増えたのもまだ見ていない。だがそれらをすっ飛ばして、いきなり北千住。
疲れるかもしれないが、ずっと地元にこもるわけにもいかない。
人もだいぶ街にもどったようだ。電車の混雑しそうな時間帯は避けるが、それにしても、いきなり遠出できるものなのだろうか。
さらに書くなら、1000円カット(←さすがにいまは1000円の店は少ないが便宜上そう呼ぶ)には、11ヶ月出かけていない。たしか前回のカットハウスでの会話が「このあいだの台風で、近所の公園がちょっと壊れたんです」、「え、どこの公園ですか」、「ほらあっちをまっすぐ行って、どこそこ」だったので、10月だったことに間違いない。髪の毛がぼさぼさである。
今年の2月にカットしようと思っていたらタイミングを逸し、3月以降はコロナで行く気がなくなった。そして夏には、あまりの暑さに外出はすべて夕方5時以降と決めていたので、店と時間が合わなかった。
これも、そのうちなんとかしなければならない。北千住に行くよりもさらに度胸が必要な気がするが、いつかは行かねば。
こうなるともう、人間は別にどこに住んでいても、あまり関係ないのかなと思うことがある。近所しか歩かないし、都心や繁華街で買えるようなめずらしい商品は、通販ほかの手段で済ませる。通院はあるが、2ヶ月に1回だ。ネット環境があり、Netflixがあれば、あとはどこでも同じなのかという気がする——だが実を言うと、本音は違う。
本音は、自分ではなく「そう考える人が増えて、東京の人口が減らないかな」である。もはや自分が遠くに移住しようなどと、そんなめんどくさそうなことを、おそらくわたしは考えない。人が少しだけ減ってくれて、地方に都市機能が適度に委譲されて、一極集中ではなくなる東京の暮らしが実現するならば、わたしはそのとき、東京にいたい。