20分間の断水

 以前から郵便受けにお知らせチラシがはいっていて、わが家の前の道が掘り返されて水道管が交換になる日が近づいていた。13日に決まりかけていったん通知がはいったが、そのあとのチラシによれば14日(今日)が有力になったらしい。その場合には、午前10時から午後3時くらいのあいだに、30分くらい断水するという。

 そして14日となった。9時過ぎから界隈でガタゴトと音がしている。
 午前10時少し前になったとき「いまのうちに薬缶に水を入れておいて、珈琲がいつでも飲めるようにしよう」と、水道から300mlずつ2回、浄水器(ブリタ)に水を注いだとき、玄関のチャイムが鳴った。「いまから断水しまーす」と、若い男性の声。別にその直後から断水されるわけではないのだろうし、ご近所の数軒程度はチャイムを鳴らしてまわることを思えば、数分の猶予はあったのだろうが、珈琲用の水を確保した直後だっただけに、とにかくドキリとした。

 ふと気を取り直し、「よかった、珈琲がわかせる程度の水は確保した」と、とりあえず薬缶を火にかける。

 無駄に心配性のわたしは、その後も「もし30分以上かかって、そのとき水が使いたくなったらどうしようか」などなど、考えなくてもいいことを考えていた。するとふたたび玄関のチャイム。やった、まだ10分ちょっとなのに断水終了か、ほっとしたぞーと思ったら、クロネコのドライバーさんだった。

 え、いま玄関の前を掘り返しているのに、いまこのタイミングで、どうやって到着したのだろう。

 玄関を開けると、荷物をふたつ手にしたドライバーさん。受けとりながらそのうしろの路面を見ると、穴がふたつ深く掘られたあいだが通路のようになっていて、そこを通って配達に見えたらしい。お帰りの際は水道工事の方も「こちら気をつけてお通りくださーい」と、案内をしていた。

 それにしても「水道工事の穴ってこんなに狭く深く掘るんだ、プロってすごいぞ」と、感動してしまった。

 届いた荷物を確認し、必要なものは冷蔵庫に入れるなどしていると、ふたたびチャイム。「断水は、終わりましたー」と、同じ男性の声。開始から20分弱だっただろうか。直後ではないものの少しあいだを開けて外を見ると、あの深い穴がきれいに閉じられていた。プロとは、ほんとうにすごいものだ。

 それから数時間かけて、ご近所の道をひととおり掘り返して埋めたあと、水道工事の方々は帰っていった。
 工事の音と担当された方の声だけだったが、なんだかプロ集団が去っていったという、かっこよさのようなものが残った。

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