先日「カンブリア宮殿」というテレビ番組でユーハイムが特集されていたので、録画しておいて昨日になって見てみたのだ。ビジネスとして、企業像として、たいへん興味深い内容だった。
ユーハイムは、他社に比較して、製造における手作業(人の手で加工する工程)が多いという。原材料を吟味し、人の手による作業を重視していて、それであの良心的な価格が出せるのは、正直なところかなり驚いた。いったいどの部分で、経営的な努力をしているのだろうか。儲けが少なくなりそうだと、個人的には心配している。
また、製造部門に配属になる社員さんは、最初の1年をかけて社内でみっちりと製菓教育を受けるという。素人考えでは、転職での入社や、製菓学校で学んで来た人なら少しの期間の教育で戦力として期待できそうと思ってしまうが、ユーハイムらしさをみっちりと学んでもらいたいということのようだ。入社が決まるまではとくに製菓について詳しくなかった人でも、まっさらな状態から育てていくという点を、重視しているということだろう。
番組は再放送やTVerなどのチャンスがあると思われるため、未見の方は見ていただくとして、最後に。
三つのSについて。
small, slow, steady (小さく、ゆっくり、着実に)を、カール・ユーハイム氏の亡き後、妻のエリーゼさんがよくおっしゃっていたとのこと。なかなか素晴らしい教えである。シンプルだが奥深い。
ただ…見ていながらずっと気になっていた。エリーゼさんはドイツの方なので、ドイツ語だと三つのSにはならないのではないかと。見終わってから、ネット上の辞書で検索してみた。やはり、smallに相当するドイツ語が、sではじまらないように思う。
エリーゼさんは英語を話されたのか、あるいはおっしゃっていた内容を英語で表現して三つのSとしたのか、どちらかなのだろう。
気にしない人は気にしないのだろうが、わたしはこういう点が、気になって仕方ない。