いつも年末の流れとしては、掃除はたいしてせずに料理だ。クリスマスにローストチキンとケーキ、年末の数日間でおせち、年明け数日でピティヴィエ(ガレットデロワのフェーヴ抜き)。そしてなぜか今年は、成功度というのか、満足度が高いものができあがりつつある。
ローストチキンはおそらく、買った鶏がよかったのだろう。そしてつけ置き時の材料も、初心に返ってできるだけよいものを使った。
ロールケーキは昔やっていた配合にもどして(いつも津田陽子氏の「くるくるロールケーキ」だが、今回は分量をかつて慣れていたものにもどした)、そしてしつこいほど泡立てに念を入れ、そこまで混ぜなくてもいいのではというほどに混ぜた。
そして今日、黒豆を煮ようと思ったのだが、あれが毎年つらい。吹きこぼれないように鍋の近くで番をしていると、寒いし飽きるし、つい「もういいじゃん」と、火を止めたくなるのだ。そんな気分で作るものだから、どこかしら、いまひとつの豆に仕上がる。
だが今日は「どうせ長くここに座っているなら、バウムクーヘンでも作るか」と、煮豆をしながら菓子材料の準備、そして合間に調理器具を洗ったり、また材料を混ぜたりと、かなりゆったりと時間をかけた。バウムクーヘンといっても、ロールケーキと同じ型でどっしりとした生地を焼くので、要領は先日のロールケーキと同じだ。もっともあちらはしっとりなめらかなスフレ生地、バウムクーヘンはどっしりとした重い生地なので混ぜる手順と焼き時間が違う。
配合はできるだけ忠実に、だが焼き時間は手探りで——本は18cm丸型で焼きながら重ねていくものだったが、わたしは一度に焼いてから重ねるつもりだったので焼き時間が違うのだ。
焼き上がりまでは、なんとかうまくいった印象だったが、粗熱を取って紙をはずすときに、少しだけ焼きが甘かったと気づいた。おそらく焼成をあと1分追加か、あるいは温度をもう少し高くしておけばよかったかと。
そんなこんなを「ながら」で作業しているうち、黒豆はいつになく美味に、ふっくらと仕上がった。
これからも適度に「ながら」で作業していきたいと思う。
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