夜の23時8分ころ、福島と宮城で震度6強の地震があった。東京も大きく揺れた。長かった。家の中でいくつかものが落ちた。
隣の部屋から家族が「いま、地震が来るってテレビでやってた」と声をかけてくれたのだが、揺れが届くまでに時間がかかり、誤報でなくてここまで時間がかかるのならばけっこう大きな…と思ったとき、揺れはじめた。
長さで、東日本大震災を連想した。またか、10年でまたかと、考えた。だがものの落ち方が少しだけ弱く感じた。そして、やがて揺れが止まった。
揺れている間に考えたのは、あの長い苦しみ、悲しさ、不安が、いまふたたびここにやってきたら、ということだ。新型コロナで疲れきった世の中に、もうたいした力が残されていないような気がした。嫌だと。だが地震は来るときは来るのだ。火山の多い日本ならばそれは避けられないことなのだから——そんなことを考えていた。
直後にテレビをつけたかぎりでは、津波の心配はないとのことだった。明日の朝になれば被害状況もわかるだろうが、東京を除いて関東近県に停電が発生しているらしい。わたしが見たときは各県で数万戸ずつだったが、数字は変化するだろう。
余震に注意し、そして、自分や周囲の心が折れることを案じるのではなく、折れないように前向きな心構えで、日々を送りたい。