3ヶ月ぶりに、病院へ。
以前はよほどのことがないと8週間分すら出してくれなかった医師が、新型コロナの影響で常連患者の通院回数を減らす方針かもしれないが、前回は3ヶ月分を処方してくれたし、今回も3ヶ月分のようだ。おかげでこちらは気分的にたすかるのだが(一度に薬の代金を払うという意味では財布に厳しいにせよ)、話を聞いていると、けっこう財政的に厳しそう。無論、医師は財政の話はしておらず、わずかな雑談めいた話からわたしが感じとったことである。
どうも、企業や団体の健康診断や市民の日常的な検診は、しばらく断っている様子。そういった健康診断にはオプションとして自由診療的なメニューを含むコースもあっただろうから、断ることは、ドル箱を失うことに直結する。
また、通院するのが怖い(通常の診察時間に病院にいたくない)患者には、いったん診察料金を立て替えて薬だけを調剤薬局に手配する方法も、復活しているようだ。患者は後日に病院に支払いに行くのだというが、いったんは病院側の持ち出しであることに違いない。
今回の騒ぎがあとどれくらいつづくのかはわからないが、病院が経済的に立ちゆかなくなるとしたら、地域社会に大きな不安をもたらすことだろう。
さて、話変わって、採血のこと。
いつも診察前に右腕で採血をしてもらうのだが、今日はたまたま、上着が薄かったので「着たまま袖をあげるか、上着を脱ぐか」と迷っていた。どちらにするか考えているうちに順番が早く来た。迷ったあげく、いちおう脱ごうかと思ったら……
ファスナーが、何かのはずみに壊れたらしく、途中で動かない!!
採血の担当者さんに「脱がないで採血してもらうと、腕を圧迫するでしょうか」と相談。すると腕を見た担当者さんから、「このくらいのぴったりした袖口ですと、採血後に、出血が止まらなくなるかもしれませんね」と、妥当な予言。それは困る。
ふたたび脱ごうとしたが、ファスナーは妙な位置で固定されてしまっている。
そこでわたしは二度ほど「ほかの方を先にお願いします、壊れてしまっているようで時間がかかります」と告げたのだが、少し様子を見ているようだった。やがて担当者さんが、柔軟な発想でひと言。
「あっ、上から引っ張るような感じにすると(セーターを脱ぐように)、どうでしょう!?」
なるほど、それは考えてもみなかった。おかげで採血を終えたが、「ファスナーが直るといいですね」とまで励ましの言葉をいただき、待合室へ移動。その後、ようやくファスナーは外れた。
(帰りはねんのため、いっさいファスナーを使わずに帰宅)
こちらが焦ってしまってはよくないと、やわらかく話しかけてくださったのだろうと思う。
高齢者に片足を突っこみつつある世代として、親切が身にしみた。
採血前の騒動ですでに袖口が圧迫されたらしく、部分的ではあるが青紫の内出血があった。ひさびさに見てしまったが、あれで済んでよかった。