世の中には数多くの想定外がある。ある程度までは個人や関係者の努力で未然に防げるトラブルもあるが、なかなか、発想の違いというものは越えがたいもので、自分たちがテストを頼みたくてお願いする人は、自分たちと同じようなところを、見てしまうものかもしれない。
大昔のゲームの話。
Final Fantasy のシリーズは、スーファミで出ていた4〜6までは、何度もプレイした。その後にDSでも少しやったものがあるが、4はとくに覚えている。
何回もやっているうち、ゲームの途中で変わったことがしてみたくなったのか、間違えたのか、どちらだっただろう——登場人物のエッジ(エブラーナ国の王子)に、コマンド入力を受け付けなくするバーサク系のアイテムを使ってしまった。
目の前では、モンスターにさせられてしまったものの息子だと気づいて我に返った王と王妃が、息子に涙ながらに別れを告げている。だが息子のエッジはわたしがバーサクを使ったために、台詞では「親父、お袋ー!」と泣いているのに、画面では無表情のまま、無我夢中で両親に攻撃をつづけていた。
こういうおバカなプレイヤーのことまでは、ゲーム開発者も想像できなかっただろうなと、苦笑したのだった。
そして先日の、自分の想定外の話。
書いたHTMLとCSSのセットに説明文などを揃え、圧縮した。家族にそれを解凍して見てもらい「ふむふむ、ファイルは揃っているし、中も見えるけれど、ねんのためぜんぶのファイルを開ける…」と返事があったのち「おや」との声が。
急いで見に行くと、ひとつのHTMLファイルが、わたし自身が使っているよりかなり大きなディスプレイで閲覧したため、見た目が崩れていた。改行をひとつ入れるだけで直せたが、これは盲点だった。書いているときは「パソコンか、スマホか」ばかりを考えて、自分の環境より大きなディスプレイのことは頭から抜けていたのだ。
家にあるテレビのモニターはかなり大きいが、今後はテストのために、つないでみた方がいいのかもしれない。