関東地方(東電管内)の深刻な電力逼迫だが、1時間に1回程度「でんき予報」を見ていて、おや…と思ったことがある。
まず午前11時から午後1時くらいまでのあいだ、電力の使用が上限を超えて103〜107%と表示されていたこと。数字の調整が間に合わずに仕方ない状況であったかとは思うが、供給能力の100%を超えて表示させるのは、意味が通らない(←夜になって正式に「実際には100%は超えていなかった」旨のコメントが経産省の資源エネルギー庁から出された)。
また、午後3時くらいから、あきらかに「供給可能」の電力が大きく増えていたこと。どこかから借りたのだろう、ありがたいと思っていたものの、Twitter上でも、テレビ等をを通じた公式コメントでも「このままでは午後8時過ぎに大規模停電」と発表をくり返した。
電力を借りたことをいちいち語っては誰も節電してくれなくなるという思いがあったのかもしれないが、それならば数字を公開している意味がない。電力は借りたけれどそれでも節電をしてくれと、言えばいいのだ。
数字を見ている側は「なぜ借りた分を発表しない」と不審に思い、数字に整合性がとれずに不安に思う人は「節電の効果で余裕が出たのか、やはり一致団結は大事だ」と間違ったメッセージを受けとってしまう(←実際には供給可能の数字が増えていたので、残念ながら個々人の家庭における節電が功を奏したわけではない)。
そして夜の8時になってようやく「大規模停電は回避」と発表があった。
これは、どうなのだろう。待たされた5時間のあいだ、不信感が募った。回避できそうなことはあきらかなのに、大規模停電、大規模停電と、煽られている思いだった。
節電できるところはしている家庭がほとんどで、あとは大口の商業ビルなどで照明の明るさを落としてくれと頼むくらいしか、できることはなかったはずだ。それなのに5時間ものあいだ、脅されつづけた気がしてしまう。
もう少し、一般民を信じたらどうか。電力は借りたけれど綱渡りですと正直に言えばよいのに、煽ったことが、わたしにはどうしても、納得がいかない。
(貸してくれた電力会社さん、ありがとうございます。たすかりました)