都立家政の駅に近いスーパーで、親子の話し声が耳にはいった。母親が、文具(ノートのサイズ?)らしき記号を言って「ここになかったからスギ薬局まで行こう」と言っていた。
…いや、待て。A4とかB5とか、その程度の簡単な記号を言っていたのだと思うが、スーパー(もしくは併設の100円ショップ)でもあるかもと思い入店したのなら、次の候補がスギ薬局というのは、けっこう思い切った距離ではないか。大きめのコンビニではだめなのか。それに数十メートル南下すれば文具店があったはずだが、もしやそちらの方向に明るくないのだろうか。
スギ薬局に行くといわれた男の子は、そこってどこだっけと、反応が芳しくなかった。スギ薬局は新青梅街道沿いにあり、鷺ノ宮駅のほうが近い。
100円ショップは鷺宮方向にはないが、スギ薬局まで歩く覚悟があるなら野方駅方向に歩けば何軒か候補がある。あ〜、何を探していたのか知らないが、わたしではないにせよ誰かに聞いてみれば、教えてくれるかもしれないのに、この寒波のなか夕方の移動はつらいだろうなと思いながら、わたしは帰ってきたのだった。
若いころは旅先で道を聞かれたり、スーパーの中で「このあたりに和菓子屋さんないですか」などと聞かれたものだったが、最近は親切な人に見えなくなったのかもしれない。