先日ある人と話をしていた。共通の知人家族へのお祝いに図書カードかクオカードでも贈ろうと考えていると告げてから別の話へ移動したわたしに、その人が「現金がいいのでは」とわざわざ話を引きもどしてまで、きっぱりと言った。そのことにわたしはけっこう驚き、傷ついた。
そもそも、もらうのはその人ではなく共通の知人である。その人はもらうなら現金がよいという考えなのだろうが、人の分まで断言口調で言ってくるとは、いったい何事だろうか。
最近のギフトカードというのは、名称や名目はなんであれ多くの場所での、多くの商品の購入に使えるようになっている。何を買おうかと考えながら店に行ってもらえたら、わたしはそれを想像して楽しくなるぞ、と思っていた。だが本人ならともかく「現金がいいのでは」とは——。その後も半日くらいのあいだ、この件を思い出してはイラついてしまった。
キャッシュを渡してしまったら、しかも数十万円といった大金ならまだしも数千円〜数万円程度ならば、とりあえず日常的な消費にまわしてしまうと想像できるのが昨今の不景気事情だ。せっかくあげるのに本人たちの「わくわく」もなく、そして「わくわく考えながら買っているかな」というわたしの側の「わくわく」もなく、あまりにも味気ない。
ひとまず、クオカードを考えている。