ひさしぶりに東京の村上開新堂さんのサイトを見たら、内容が一新されていた。取扱商品の説明が丁寧になったほか、村上開新堂の商品に関しては会員への販売で予約制であること、併設する別店舗(山本道子の店)は予約が要らないことなどがわかりやすくなっていた。
現在はクッキーの予約待ち期間が長くなっており、新規の会員紹介を止めているらしい。
食べたのが何年も前なので、いつかそのうちと思ったが、公式サイトにここまで書いてあるということは、もしや1年くらい待つのだろうか。わたしが紹介していただいて注文したときは、到着まで3ヶ月くらいだったように思う。
さて、転売。村上開新堂さんでも、お困りのようだ。
有名店で、しかも入手までに時間がかかる商品であればあるほど、法外な価格での転売がなされやすい。わたしもときおり耳にするが、いちばん小さなものでも7000円くらいするクッキーを(←注:現在の価格は知らないものの数年前で6300円だったので、現在は7000円くらいかと想像)、ネットで転売すると倍以上の価格が付く。そもそも誰かへの手土産にするために予約して、もらった側が自分で食べずに転売するのか、あるいはなにかに使うかもしれないと多めに予約していた個人または企業が、余ったものを売っているのかは不明だが、売るほうも売るほう、買うほうも買うほうだ。
市販の密封済み菓子や食品(たとえば乾麺など)ならば、包装や容器に不審な傷でも付いていないかぎりは、安全と見なしてフリマで売買することもあるかと思う。そういったものは日持ちが数ヶ月くらい先であり、ほんとうに余っているのであれば(わざわざ転売用に仕入れたのでないならば)問題は低いかと思われるためだ。
だが高級品の、手焼き商品を転売となれば話は違う。まずもって、口に入れるものを怪しい業者から買わないのは基本で(歩いているときに「パウンドケーキいかがですか」と路上販売で聞かれて買う人は、まずいない)、製造者みずからが出品している場合を除いては、フリマや買い物代行業のサイトから菓子は買えないというのが、一般的な話ではないだろうか。
そんな風に入手した商品で何か問題が起こっても、誰も責任は取ってくれない。もちろん製造業者も、自分たちが売っていないもので何か言われても、迷惑するばかりだ。そして何よりも、悲しいことだろう。食べたいと思う人が買ってくれているのではなく、ほしい人はほかにいたということになるのだから。
転売は問題が起こりやすいものだが、とりわけ食品の転売は、買う側のリスクが高い。売買の仲介をするネットのサービスが一律禁止にするわけにもいかないだろうが、せめて買い手の側が「正規品でないならば買わない」という意思表示をすれば、安易な売り手を減らすことにつながるように思われる。