何やら急に「茣蓙(ござ)」と「筵(むしろ)」はどう違うんだったかと気になってしまい、検索してみた。
ネットで検索した範囲では、藁だけで編んだ畳に近いもの(つまり屋内での敷物)が茣蓙で、藁以外の植物で編んで屋外に使うのが筵らしい。
地域差もあるのだろうか。わたしは幼少時にすべてを「茣蓙」と呼んでいた。いや、正確には屋内で使うような敷物としての茣蓙を見たことがなく、庭で友達と遊んだり、親が軒先や庭で山菜を干すのに広げていた敷物をすべて「茣蓙」と呼んでいたのだ。筵という言葉を使う人もいたと思うので、当時はわたしも何らかの区別ができていたのかもしれないが、覚えていない。
学校の運動会で家族や近所の人が庭に敷いていたのは「茣蓙」と呼ばれていたと思う。
いまではピクニックシートのような既製品をそういう用途に使うのだろうが、あれは植物だったので使ったあとにホコリをたたいて軒下や日向にでも立てかけておけば、何度でも使えた。仮に使用中に地面の水分が上がってきてしっとりしてしまっても、風にさらされて乾燥し、手入れも簡単だった。
人間は少しずつものを忘れながら年を重ねていくものだが、最近は「思い出せそうでも難しい、たしかに馴染んでいたものなのに」と考えることが増えてきた。