配信サービスが主流になるまでは、多くの家庭でVHSのビデオやDVDをレンタルして映画やドラマを見ていた。わが家ももちろん同じである。
レンタル店の「ドラマ」は一時期高円寺駅周辺に複数あって、店舗によって中古ゲームや本などの役割別になっていたが、庚申通り店は規模がもっとも大きく、周辺店舗がなくなってからもそれら店舗の取扱商品や在庫を吸収しつつ生き残っていた。
とはいっても、配信サービスまっさかりの昨今、利用しなくなって何年経っていただろうか。閉店という話を昨日の朝に店頭表示で見た。Twitterにもお知らせがあったようだ。
【閉店のお知らせ】
ドラマ高円寺庚申通り店は、8月13日(日)をもちまして閉店とさせて頂きます。
お客様より長年のご愛顧誠にありがとうございました。
以下は、閉店における当店のスケジュール予定になります。
最後まで宜しくお願い致します。 pic.twitter.com/z6w7cUvf4X— ドラマ高円寺庚申通り店 (@kouenjikoushin) April 25, 2023
さっそく家族に出先から「開店前なのに人が何人か待っていて閉店がどうのと書いてあった」と連絡すると、開店時間のあとで状況を見て、教えてくれた。在庫売り尽くしセールの初日とあって、多くの人が出入りしていたそうだ。
昨日は午後から界隈は大雨になったため立ち寄ることができなかったが、今日になって、少し覗いてみた。
寄らなくなってからの、時代を感じた。
数年前に多くのレンタル屋で音楽CDを取り扱わなくなったと聞いたが、まだわたしの記憶にあるドラマは手前が音楽CDで奥がDVDだった。だが閉店セールで立ち寄ってみると、フロアの前半分くらいは漫画や書籍だった。映画のDVDは記憶よりは少なくて、そしてちょっと探しづらかった。ジャンルやタイトルではなくて監督名などで分類されているともう、よほど目当ての監督でもいないかぎりは、お手上げである。店も混んでいたので、ゆっくりせずに店を出た。
VHSのビデオ時代から、レンタル屋にはお世話になっていた。だがもうそういう時代ではない。DVDも買わなくなった。見たいときに「○○はどこで配信しているか」と調べたり、有料チャンネルでおもしろそうな作品を録画して何ヶ月も経ってから見てみたりと、映像作品に関しては贅沢三昧をしている。
この店のある場所は、数十年前、地元密着のミニスーパーだった。
その後に数年間だけAM/PMになった。ほかのコンビニになったこともあったと思う。場所がよいので店が何になっても立ち寄っていた。
次は何になるのだろうか。
その後もおそらく、わたしは高円寺界隈に住んでいる。