英語のclaimは、何かを主張するとか、それは自分のものですと言うときに使われる言葉で、日本語の「クレーム」のように「苦情を言う」という意味は無い。日本語の「クレームをつける」や「クレームがあった」は、いつどこからやってきてなぜ定着したのか、首をかしげてしまう。
自分の意見を強く言ったり、何々は自分のものであると言葉にする行為は、昔の日本的な感覚だと「はしたない」ような、まるで喧嘩をしているかのような印象だったのだろうか。意見を言わないとろくなことがないのはこの数十年で多くの人が身に染みているだろうが、かつては「穏便に」がモットーだった可能性もある。
日本語で「減量する」の意味に使うダイエットも、英語では「人や生き物が日常的に食べる食品、健康管理のために考えた特別な食事メニュー」などの名詞や、原料などの目的のため「食事制限をする」という動詞で使われる。
わたしは現物を覚えていないのだが、70年代ころ、商品名として「アップルダイエット」というものが流行していた。おそらくリンゴを加工した食事制限系の商品だったのだろうか。現在ではネット検索にも引っかからないが、わたしよりも上の世代が読むような雑誌等のメディアには、この言葉がかなりあふれていた。あのころ「ダイエット」などという言葉はそれほど使われていなかったため、そのような商品の台頭により人が「痩せる=ダイエット」と勘違いしたのかなと、想像している。