翔んで埼玉の続編「琵琶湖より愛をこめて」を配信で見た。内容は相変わらず笑えるが、出ているメンツがすごすぎる。
気づけば和久井映見が普通におばさんする時代になっていた。藤原紀香は片岡愛之助と一緒に仮面夫婦のような設定で出てくるし、一作目で目を疑うほど驚いた小沢真珠は同じ役で続投。そしてつい何週間か前にわたしが「近い将来は大竹しのぶになる」と勝手に想像した二階堂ふみは、「Shogun 将軍」で「落ち葉の方さま」を演じたのと時期はたいして違わないだろうにキャラの演じ分け能力がすさまじい。同じ役者にはとても見えない。
自分が生まれも育ちも関東人のせいか、前作での埼玉いじりはただ笑ってみていられたのだが、今回は舞台の多くが大阪と滋賀である。土地勘もなく文化圏もなじみが薄いため、笑っていい場所の力加減がつかめない。ところどころ「大阪、まじで怖そう」と感じる場所もあった。もちろんこういう人間が出ることを期待して作っているのだろうから企画としては成功だろう。
比叡山のほとんどは滋賀県大津市なのに京都扱いされているという台詞があり、見たあとで検索してしまった。恥ずかしながら、わりとまじめに京都だと勘違いしていた。いっぽう食い物系の話題は得意であるため、サラダパンと鮒寿司については、まったくもってすんなりと頭にはいった。どちらも塩辛そうである。(滋賀県のサラダパンとは、たくあんマヨのパンである)
和歌山県は、白浜の砂を取りに行くという当初の目的で考えればもっと県民性や人々が描かれてもよかったように思うが、印象深かったのは意外にも一瞬だけ出た「白と黒の奇妙な生き物」(つまりパンダ)である。和歌山の動物園ではパンダの出産に恵まれ、たしか最近までは7頭のパンダがいたはずだ。国籍は中国だが。小ネタを使うのうまいなぁと、しみじみ思う。もっとも滋賀県は湖のほかは何もないという設定であっても、実際には彦根城のひこにゃんがいる。権利の関係上、その名前は封印したのだろう、おそらく。
全体的におもしろかったといえばそうなのだが、やはり関西について知識がないせいか、笑えるポイントはもっとあったのかもという気もする。まぁ、それはお互い様か。今回の最後のほうで出た「埼玉県行田市」は、わたしはローカル食のゼリーフライくらいでしか聞いたことがない場所だ。まさか行田市が出てくるとは。