もう少しハラハラと見守ることになるのかと思っていたが、開票速報が流れてきた日本時間の午前の段階からときどきチェックしたニュース記事の見出しで一度も心が乱れる暇もなく「あれ、決まっちゃうのか? マジで? えっ?」と、トランプ氏の再選を見ていた。
8年前にヒラリー・クリントン氏と競ったときは、まさかという思い、信じたくない気持ちがあった。だが今回はそれを通り越して「なんで?」である。わたしは経済や暮らしのことは(現地に住んでいるわけではないので)わからないが、基本的な意味での人権感覚でバランスがとれていない人(はっきり書けば白人至上主義の人)を、あれだけの規模の国において、国民がふたたび選ぶとはとても信じられなかった。約4年前には国会議事堂の襲撃があった。その不法占拠行為の最中ですら、騒ぎを収めるための指揮を執らずに被害を長引かせたあの人物を、である。」
そこらへんの弱小国ではない。米国は世界の国々に大きな影響を及ぼす。これから4年も、ふたたびトランプ氏とアメリカ合衆国を見ていかなければならないのか。気が滅入って夕方からは体調を崩しそうになった。体の力がはいらなかった。
こういう展開が起こりうるからこそ、アメリカの国民は普段から政治への関心が高いのだろう。日本ではたいてい「票がちょっと減ろうと自民が仕切る」という認識、慣れ、あきらめのようなものがあり、人によっては投票もしない。投票に行かないと聞いたこともないような政党が大勝してあわてるという経験が、アメリカほどにはないのだろう。
日本も、もう少し自民が弱くなって(願わくば分裂して)、他党とじゅうぶんに話し合いをしなければ物事が進まないようにできればよいのだが、依然として投票率は低い。