住んで長い場所に知らないことがあるというのは、それを知らないと気づいた途端に、やたらと気になって仕方なくなる。
高円寺の北口にある高野青果。野菜と海鮮を売っている建物たちのあいだにある、あの細い道——いくつか商店があるあの道は、名前があるのだろうか。
そこを通ってもう少しで庚申通りという場所に、いつも年末になると少量のかずのこを売っている店があって、数百円で少量が買えるのでとてもたすかっているが、店の名前も知らない。その斜め向かいに肉屋もあったと思うが、もちろんそちらの名前も知らない。家族がかずのこを買ってきてくれたが、欲しいものがあるかと聞かれて「いつも買っているあの店のかずのこがあるかどうか」と言っただけで、買ってきてもらえた。
Googleで地図を見たがそこに店があるのかどうかも地図ではわからないほど情報が埋没している。ただしストリートビューには店が認識されている。(あんな細い道に徒歩ででもはいるのか、Google Map担当者?)
あの道が気になるので検索したが、どなたもその名前を書いていない——と思ったら、食べログに「大一市場」というものが紹介されていた。そしてその魚の店は「早川商店」、斜め向かいの肉屋は「石田精肉店」だった。ありがたい。
いちおう「大一市場」の一部として食べログには掲載されているものの、あの通りも含めて北口の多くの店が「純情商店街」となっており、純情商店街のマップにも早川商店と石田精肉店の名前は載っていた。
改めて大一市場で検索すると、高円寺方向から小道を庚申通り方向に抜ける場合で考えると右手側(地図で考えれば北側)の建物内にある飲食店らを呼ぶらしく、建物入り口にも、そう書いてあるようだ。上記のような店(完全に建物外であり通路に面している)も、その扱いになっているということなのだろう。
せっかく名前がわかったのだから、年末以外にもたまに出かけるとしよう。